2010 Fiscal Year Annual Research Report
CCR4-NOTデアデニレース欠損に伴う病態解析と新たな遺伝子発現制御機構
Project/Area Number |
21229006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 雅 東京大学, 医科学研究所, 教授 (40134621)
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Keywords | デアデニレース / mRNA / 翻訳 / AU-rich配列 / 遺伝子欠損マウス |
Research Abstract |
CCR4-NOT deadenylase複合体について以下を明らかにした。 (1)欠損マウス作成:Cnot1,2,10条件的欠損マウス作成のためのキメラマウスを得た。 (2)表現系解析:Cnot3^<-1->マウスの胚性致死の原因は細胞増殖機構の異常によるものと考えられる。個体レベルでのこの異常を解明するために、肝臓特異的にCnot3を完全欠損するCnot3(liver-KO)マウスを作成した。当該マウスは出産時から体重が少なく小型であった。Cnot9^<-1->マウスは胎生12.5日で胎児内血管網形成不全で死亡することを明らかにした。血管内皮細胞への分化誘導実験から、Cnot9欠損胚では細胞の分化能や血管網形成能が減弱していることを見出した。 (3)遺伝子発現解析:microarrayやRT-PCRにより、野生型に比べCnot3^<-1->マウス白色脂肪組織でホルモン感受性リバーゼ遺伝子(Hsl)の発現が亢進していることを見出し、それが瘠せ形質の一因となっていると推定した。また、microarrayや次世代シーケンサーを用いた解析から、Cnot7欠損精巣組織でFst(follistatin)やAdh1(alcohol dehydrogenese)遺伝子など精子形成に関与する複数の遺伝子の発現上昇を見出した。また、Cnot9欠損10.5日胚組織でRunx1遺伝子など血管網形成関連遺伝子群の顕著な発現変動を見出した。 (4)分子機構の解析 上記(3)で示した遺伝子の発現変化が当該形質の原因かどうかを遺伝子産物の作用機構の面から検討し、またそれら遺伝子mRNAがCCR4-NOTデアデニレースの標的かどうかをそれぞれのmRNAについてPoly(A)長を測定することで調べている。また、CNOT6L蛋白質とoligo(dA)会合体の共結晶構造を明らかして、CNOT6Lによる脱アデニル化の分子機構を推定した。
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Research Products
(13 results)