2011 Fiscal Year Annual Research Report
巨大ソフトウェア工学データを対象とした計算ソフトウェア工学の確立
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21240002
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
井上 克郎 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (20168438)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楠本 真二 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (30234438)
岡野 浩三 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (70252632)
松下 誠 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (60304028)
石尾 隆 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 助教 (60452413)
肥後 芳樹 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 助教 (70452414)
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Keywords | ソフトウェア工学 / ソフトウェア開発効率化・安定化 / コードクローン分析 / ソフトウェア分析 |
Research Abstract |
計算ソフトウェア工学の確立のため、ソフトウェアの類似性に関する分析技法を中心とした研究を行った。主な成果は次の通りである. 1.Androidアプリケーションを対象として、各アプリケーションに含まれるAPI呼び出し列情報を取り出し、比較することで、アプリケーションの機能の差異を分析する手法を構築した。ソースコードの差異をアプリケーションの機能の差異として整理することで、類似したソフトウェア同士を効果的に比較できるようになる。 2.コードクローン検出の速度向上、精度向上に向けて、プログラム依存グラフを用いたコードクローン分析手法を繰り返し適用する場合の高速化手法、プログラム依存グラフそのものを近似計算することによる高速化技術、開発者にとって意味のない特定のソースコードのパターンを取り除く手法を構築した。これらの解析の高速化と制度向上により、様々なソフトウェア開発組織での適用が容易となる。 3.Androidアプリケーション、オープンソースソフトウェア、企業のソフトウェアなど多様なコードクローン情報を収集し、ソフトウェアの複雑度や欠陥、保守性などの品質指標と、コードクローンとの関係を分析した。その結果、ソースコードを読みやすい形式に書き換えるリファクタリング活動をいつ行うべきか、開発者が行った判断と相関のあるメトリクスを特定した。このメトリクスにより、ソフトウェア開発においてリファクタリング活動を行うべき局面であるということを、開発者に対して自動的に提案できるような開発環境を構築することができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Androidアプリケーションの分析技術の構築は計画通り達成することができ、また、継続的に研究しているコードクローン分析技術の高性能化も達成することに成功した。社会状況としても、各社の携帯電話に搭載されたソフトウェアの公開が増加しており、コードクローン分析の適用実験の実施が容易になったことから、研究は順調に進行していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
大規模なコードクローン分析が可能になったことで、さらに多様な適用実験を実施していく予定である。ただし、収集されるコードクローン情報の量もまた劇的に増加しており、ソフトウェア開発者に対して分析結果を効果的に伝え、議論することが困難になりつつある。コードクローン情報の収集、分析を、企業と連携して継続的に実施していくことで、今後、開発者に対する効果的な情報提示手法を確立することを計画している。
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Research Products
(24 results)