2011 Fiscal Year Annual Research Report
生物システムのダイナミクスに学ぶ持続発展可能な情報ネットワークの構築手法
Project/Area Number |
21240004
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村田 正幸 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (80200301)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝根 哲哉 大阪大学, 工学研究科, 教授 (00216821)
荒川 伸一 大阪大学, 情報科学研究科, 准教授 (20324741)
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Keywords | ネットワーク設計 / 生物システム / 持続成長 / 環境変動 / べき則 / 幅輳制御 / 回線容量設計 / ネットワークトポロジー |
Research Abstract |
フロー制御が作用する環境下での回線容量増強時の振る舞いについて、計算機シミュレーションによる評価をおこなった。回線容量が均一な状態を初期状態とし、フロー制御が作用する環境下でネットワークのボトルネックとなるリンクを増強することによって、回線容量の分布がZipf則を示し、インターネットで観察される回線容量分布の特徴と一致することを確認した。そこで、時間的環境変動特性を考慮した回線容量増強手法として、平成22年度までに取り組んだ空間的環境変動特性を決定付けるネットワークのモジュール構造の特性を用いた回線容量増強手法を提案した。提案手法では、各リンクに重みを与え、重みの高い順に回線容量を増強する。回線容量を増強した場合、そのリンクの重みを減少させ、モジュール内の下層と上層をつなぐリンクに重みを分配する。提案手法を用いて回線容量を増強した結果、回線容量分布がZipf則に近づくこと、および、BAモデルを用いて生成したスケールフリーネットワークと比較してISPトポロジーではノード間のフローレートが増大することを確認した。次に、トポロジー構造の違いがリンクを経由するフロー量の分布に与える影響をシミュレーションにより評価した。評価の結果、ISPトポロジーが有する構造的特徴である高いモジュール性は、回線の総物理距離の最小化の過程で生じることが明らかにし、回線の総物理距離が減少するとともにフロー量分布がZipf則となることを示した。ただし、回線の物理距離が最小となるトポロジーを構築すると、回線容量制約によって収容可能なトラヒック量が減少することも明らかとなった。以上のことから、ISPのルーターレベルトポロジーの局所連結性は、回線容量制約下において収容可能なトラヒック量を最大化しつつ、回線の総物理距離を最小化により得られることがわかった。
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Research Products
(5 results)