2009 Fiscal Year Annual Research Report
グリア細胞の情報発信制御メカニズムと脳の可塑性に関する研究
Project/Area Number |
21240034
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
小泉 修一 University of Yamanashi, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (10280752)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤下 加代子 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教 (10443102)
森山 芳則 岡山大学, 大学院・医歯薬総合研究科, 教授 (10150658)
片岡 泰文 福岡大学, 薬学部, 教授 (70136513)
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Keywords | ATP / 開口放出 / グリア細胞 / トランスポーター |
Research Abstract |
グリア細胞、特にアストロサイトが脳機能に果たす役割の重要性が指摘されている。アストロサイトは、情報を受容し、応答し、ATP等の所謂グリア伝達物質を放出することが知られている。しかし、その放出メカニズムに関しては殆ど解っておらず、各種ATP透過性チャネルを介して、細胞内のATPが漏れ出る「自由拡散」による放出であるとの報告が多い。本研究では2008年に本分担研究者の森山らによって発見されたVNUT(vesicular nucleotide transporter)を切り口として、アストロサイトのATP放出が、調節性及び積極性に富んだ「開口放出」であること、またこの開口放出による情報発信が脳機能、特に脳の可塑性に与える影響を明らかとする。本年度は、先ず、アストロサイトにVNUTが豊富に存在することをanti-VNUT抗体を用いた、免疫組織学的手法及び免疫電顕にて明らかとした。また、VNUTは、比較的大型の小胞に局在し、またchromogranin A等の分泌タンパクと共局在した。また、VNUTをRNA干渉法によりノックダウンしたアストロサイトでは、ATPの放出が減少し、またアストロサイトからのグルタミン酸刺激及び機械刺激により惹起されるATP放出は、Ca^<2+>依存的及びSNAREタンパク依存的であった。以上、アストロサイトには、細胞内小胞にATPをパッキングするATPトランスポーターであるVNUTが存在すること、アストロサイトからのATP放出には開口放出成分が含まれていること、さらにVNUTはATPの開口放出に必須であることが明らかとなった。
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Research Products
(77 results)