2011 Fiscal Year Annual Research Report
ヒューマナイズドがん転移モデルを用いたヒトがん転移機構の解明
Project/Area Number |
21240042
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Research Institution | 実験動物中央研究所 |
Principal Investigator |
末水 洋志 公益財団法人実験動物中央研究所, バイオメディカル研究部, 部長 (40332209)
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Keywords | がん / 細胞・組織 / 転移モデル / ヒューマナイズド |
Research Abstract |
本研究課題「ヒューマナイズドがん転移モデルを用いたヒトがん転移機構の解明」の最終目標である「肝生着促進因子、および、肝転移関連因子の同定」に向け、最終年度はヒト大腸がん、ヒト膵臓がん、および、ヒト肝臓がんを用いてヒューマナイズドliverマウスへの転移性評価を実施した。 1)前年度までに確立した"ヒトーヒト"同種移植モデルは、NOGマウス肝臓にも極めて良く生着することが明らかなヒト大腸がん細胞株HCT116によるものであった。宿主マウスに生着したこれらの細胞をin vivoイメージングにて解析を行うため、赤色蛍光タンパク発現HCT116細胞株(tdTomato-HCT116)を樹立し、がん細胞のイメージング法を確立した。異種の肝臓にも生着しやすいこのような細胞株では宿主の違いによる生着性の差を検証するのは困難であることから、次に従来の条件では生着しがたい細胞株、ヒト大腸がん細胞株SW48やヒト膵臓がん細胞株BxPC-3について、ヒト正常肝臓細胞が生着したuPA-NOGマウス(ヒューマナイズド肝マウス)、及び、ヒト肝臓細胞が移植されていないuPA・NOGマウスの肝臓に移植を行った。1x10^5個のSW48細胞株を移植したところ、ヒューマナイズド肝マウスでのみ生着が確認できた。また、BxPC-3細胞株では1x10^5個の移植により、ヒト肝臓細胞が移植されていないuPA-NOGマウスの肝臓にも生着が認められたが、ヒューマナイズド肝マウスでは生着の程度が極度に亢進していた。 2)異種細胞の同所性移植実験においても同様結果が得られた。すなわち、従来のNOGマウスの肝臓では生着が認められなかったヒト肝臓がん細胞株HuH-7が、ヒューマナイズド肝マウスには高率に生着することが確認できた。これらのヒトがん細胞はヒト正常肝細胞の領域に接して増殖している傾向が見られた。現在、免疫組織化学的手法により、接着性向上に関わる分子について検討を行っている。
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Research Products
(8 results)