2009 Fiscal Year Annual Research Report
酸化ストレスに応答し・機能するバイオマテリアルプラットフォームの設計の設計
Project/Area Number |
21240050
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
長崎 幸夫 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (90198309)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 康二 岡山大学, 医歯薬学部, 教授 (20212540)
鈴木 謙介 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (20400674)
松井 裕史 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (70272200)
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Keywords | 酸化ストレス / 反応性酸素種 / ニトロキシラジカル含有ナノ粒子 / 脳梗塞再灌流 / 生体低合成表面 / バイオイメージング / MRI / EPRI |
Research Abstract |
適度な酸化ストレスは外敵からの予防や疾病の治癒など、生体に不可欠な機構であるものの、様々な環境要因により過剰に発生した場合には重篤な疾病に関連することが明らかになりつつある。本研究では、安定な「ニトロキシルラジカルを担持させた材料」をプラットフォームとし、生体イメージング、酸化ストレス傷害治療のみならず、遺伝子治療や細胞工学等広範な生体適合性・機能材料創出への展開を目指した。これまで予備的に得られているデータを振り返り、TEMPO含有高分子材料を種々設計し、その材料の物理化学特性を明らかにするだけでなく、細胞毒性、ROS消去能、生体内動態等の基礎的評価を行った。また、血液との接触によるリンパ球のダメージに対する評価を行い、特性と機能の相関を検討した。(1)TEMPOを有するブロック共重合体、ナノゲルの合成を行った。(2)材料の物理化学特性、特に水中での自己組織化、pH応答能、表面特性、還元剤耐性等の物理化学的評価を行い、合成した材料の特性を評価した。また還元剤耐性評価では、血中のアスコルビン酸等の還元剤に対する耐性、組織内のグルタチオンに対する耐性を中心に評価し、イメージング剤としての可能性を検討した。(3)X-バンドおよびL-バンドESRによる材料シグナリングの評価を行った。(4)材料の細胞毒性評価をWSTアッセイとともにサイトカインの定量によって評価した。(5)ROS発生細胞モデルによる細胞評価と虚血還流動物を用いた動物モデルにより評価を行った。脳虚血再灌流モデルに関しては筑波大医学部鈴木講師らと共同で進めた。(6)ラジカルナノ粒子の脳へのデリバリー解析をESR及び蛍光を利用し、血液脳関門の透過能を見積もるとともに遺伝子運搬や再生に関する検討を行った。
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