2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21240051
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岩田 博夫 Kyoto University, 再生医科学研究所, 教授 (30160120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲垣 暢也 京都大学, 医学研究科, 教授 (30241954)
上本 伸二 京都大学, 医学研究科, 教授 (40252449)
興津 輝 京都大学, 医学研究科, 助教 (10378672)
寺村 裕治 京都大学, 放射性同位元素総合センター, 助教 (10365421)
川本 卓夫 京都大学, 放射性同位元素総合センター, 教授 (10231276)
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Keywords | 糖尿病 / 膵ランゲルハンス島 / 移植 / マイクロカプセル / ウロキナーゼ / 皮下 / セリルトリ細胞 |
Research Abstract |
I型糖尿病の治療を目的として膵島移植が行われている。本研究では膵島の表面処理により膵島移植の成績を向上させる試みを行っている。平成21年度に行った研究の概要を以下に記す。 1.膵島表面への抗血栓性の付与:膵島は門脈から肝臓内に移植する。このとき膵島表面に血栓が形成され、これが引き金となって炎症反応が起き、炎症反応に巻き込まれて多くの移植膵島が死滅すると報告されている。本研究では膵島表面にウロキナーゼまたトモンボモジュリンを固定化して移植膵島表面上で血液凝固が起きないようにした。修飾膵島のウロキナーゼとトモンボモジュリンの活性を測定したところ十分血液凝固形成を抑制する活性を保持していた。また、修飾膵島はグルコース濃度変化に応じてインスリン分泌を制御する活性を保持していた。 2.膵島移植によるfragileな血糖値変動を安定化:最近の研究で確立したカプセル化法を用いて膵島をカプセル化する。まず、ラットをレシピエントに用いて、bFGF+ハイドロゲルからなるDDSを用いて皮下に毛細血管床を誘導し、カプセル化膵島の移植を行った。皮下への毛細血管床の誘導が可能にし、また、コントロール群の同種同系膵島移植系では皮下毛細血管床誘導部位に1000個の膵島を移植することで血糖値を正常化できた。一方、1000個のカプセル化膵島移植では血糖値は正常化できず、現在、移植カプセル化膵島の数を増やして検討中である。 3.免疫反応の制御:拒絶反応を抑制する能力があるセルトリ細胞を膵島表面に固定化することを試みている。マウス新生児の精巣からのセルトリ細胞の分離と培養を行い、これを膵島表面に固定できた。現在、in vitroとin vivoでの機能評価を開始したところである。
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