2009 Fiscal Year Annual Research Report
運動系と感覚系の双方向神経インターフェースを有する運動再建・支援装置の開発
Project/Area Number |
21240059
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大日方 五郎 Nagoya University, エコトピア科学研究所, 教授 (50111315)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 仁 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80173243)
長谷 和徳 首都大学東京, 都市教養学部, 准教授 (10357775)
建部 将弘 名古屋大学, 医学部付属病院, 助教 (60420379)
篠原 孝明 名古屋大学, 医学部付属病院, 医員 (00378209)
山本 美知郎 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (90528829)
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Keywords | 制御工学 / 神経科学 / リハビリテーション / 生体機能利用 / 義手・義足 |
Research Abstract |
本研究ではこの1年間、装置の導入や研究分担者間の情報、意見交換を実施した。今後2年間の研究の方向付けができ、さらに以下のような目的に関連する結果を得た。 (1)神経細胞を電子基板上に培養し、電極の周囲に神経細胞ネットワークを構築することを試みた。基板上に神経ネットワークを構築できたものの、神経との良好な接触状態や神経細胞ネットワークを自由に構成するための条件を明らかにすることができなかった。(2)幹細胞から運動ニューロンを分化させ、それを筋組織中に成長させることに成功した(動物実験)。電子回路からの電気刺激により、筋張力を制御する可能性が示された。運動神経系を人工的に構築し、筋張力を制御するための基礎が得られた。(3)ヒトの皮膚表面(特定の部位)からの電気刺激により圧覚を伝える実験を実施して、その電圧と電流を制御できれば4ビットぐらいの情報伝達が可能であることが示唆された。感覚には慣れが存在し、それに対処する方法が必要である。(4)人の表皮における圧覚の仕組みをまねた触覚センサを開発し、3次元の接触力(法線方向のモーメントを含む)と対象表面との滑りやすさを動的に推定することが可能であるシステムを構築した。また、それが義手、義足に導入可能であることを確認した。(5)神経の神経伝達をイオンチャンネルや軸索の生理化学的条件の違いに応じてシミュレーションすることのできるツールをテストした。簡単な信号伝達において、神経の可塑性を再現できることを確認した。
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