2011 Fiscal Year Annual Research Report
日本人の基礎的動きの標準値およびデータベースの構築
Project/Area Number |
21240061
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
阿江 通良 筑波大学, 体育系, 教授 (10175721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 範久 筑波大学, 体育系, 准教授 (10261786)
加藤 謙一 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (00177437)
佐々木 玲子 慶應義塾大学, 体育研究所, 教授 (80178673)
本間 三和子 筑波大学, 体育系, 教授 (80241800)
窪 康之 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, 研究員 (80371160)
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Keywords | 基礎的動き / 幼少年 / 動作分析 / 標準動作 / 動作変動度 / 動作逸脱度 / バイオメカニクス |
Research Abstract |
本研究の目的は、日本人の基礎的動きから主要な10種を選択し、その標準値(標準動作)をバイオメカニクス的方法により作成するとともに、評価や指導のための観点や動作の要点を明らかにし、標準動作のデータベースを構築することである。本年度は、幼少年に関する動作データの収集を中心に行うとともに、成人男女について8種の基礎的動き(前転、後転、走動作、立ち幅跳び、遠投、捕球動作、プレースキック、ボールドリプル)の標準動作を作成することとした。概要は下記のとおりである。 1)成人男女の標準動作の作成:平成22年度および今年度に収集した男女成人(体育専攻の学生および大学院生、男子31名、女子35名)について、前転、後転、立幅跳、走動作、ドリブル、捕球、遠投、プレースキックの基礎的動きの標準動作をAe et al.(2007)の方法により作成した。 2)小学生の動作:男女小学校2および4年生(2年生:計74名、男子37名、女子27名、4年生:計75名、男子36名、女子39名)について、遠投動作およびプレースキック動作を2台の高速度カメラを用いて撮影し、DLT法により3次元分析した。 3)昨年度にビデオ撮影した園児73名(3歳児22名、4歳児25名、5歳児26名)を対象として、20m走、立幅跳、ゆりかご立ち(3歳児のみ)、前転(4,5歳児のみ)のデジタイズなどの動作分析を行った。 4)昨年度に課題として残されていた「動作変動度算出の際のゼロ除算問題」について、様々な係数を検討した結果、二乗平均平方(Root Mean Square,RMS)を用いて動作変動度(SD/RMS*100)を算出することにより、ゼロ除算問題を解決できることがわかった。 5)2)で収集した遠投動作およびプレースキック動作に関する成果の一部を国際スポーツバイオメカニクス学会大会(2012年7月)において発表することになった(2012年3月採択)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
成人の標準動作の作成については、ほぼ終了したが、幼少年に関するデータ収集および標準動作の作成については、やや遅れている。これは、幼少年のデータ収集に関して当初に計画した3次元座標自動収集システム(Vicon)が計測条件の制約(学校での計測)により実際には使用できないために、ビデオ撮影に頼らざるを得なくなり、座標データの算出に時間と労力を要しているためである。 また、蹴のびなどの水中動作データの収集は、測定環境や時期に制約があまりにも多く、ほとんど行えていない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度には、水中動作の撮影については成人を対象とすることとし、すでに収集したデータについて幼少年の標準動作の作成、基礎的動きのデータベース構築に注力することとする。
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Research Products
(5 results)