2009 Fiscal Year Annual Research Report
実験研究現場の自発的リスク管理を支援するリスク評価ツール及び教育フケロクケラムの開発
Project/Area Number |
21240068
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大島 義人 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (70213709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 仁 大阪大学, 安全衛生管理部, 教授 (20222383)
大久保 靖司 東京大学, 環境安全本部, 教授 (00301094)
加藤 信介 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (00142240)
平尾 雅彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (80282573)
菊池 康紀 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (70545649)
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Keywords | 環境安全 / 実験研究 / 大学 / 安全教育 / 教育プログラム / リスク評価 / 支援ツール / 事故事例解析 |
Research Abstract |
本研究では、大学などの実験研現場において、学生を含む実験研究者が自らの実験作業のリスクや危険性を自発的に認識し、適切な作業環境での実験作業を支援するための合理的で実効的なリスク評価支援ツール及び教育安全プログラムの開発を目的としている。得られた研究成果は以下の通り。 1大学実験室における法人化以後の実験事故事例の収集と解析を行なった。収集した事例は大阪大学・東京大学の約2400件であり、発生時間帯や被災者の研究分野などで整理した。事故の背景の解析から、重大事故につながり易い化学薬品が関わる事故が、化学とその他の分野では異なるパターンで生じていること、事故につながる作業と作業者間の相対的な関係の不適切さが5つのパターンに分類されることが明らかとなった。また、背景的要因や社会心理学的要因の調査プロトコルを作成した。 2事故やヒヤリハットが、物理的な因果関係にとどまらず、作業者の安全意識の違いや教育環境現場の実情が背景要因となっていると考え、実験室の環境安全に関するアンケートを実施した。得られた結果を主因子法により因子分析し、学生の安全意識を構成する潜在的因子を抽出した。 3実験室内で人の移動による危険物質の拡散、特にドラフトからの危険物質の逆流をCFD解析する基礎的検討を行った。単純形状での移動を伴う気流、汚染拡散の検討は可能だが、実験室形状及び人体形状を、ある程度実現象に対応するよう複雑化させた場合に関してはさらに検討する必要性が示された。 4室内漏洩や健康リスク要因となる化学物質に関して漏洩量と室内環境変数による濃度変化を推算する既存の化学物質運命暴露モデルを調査した。その解析から、排出源と排気設備の位置関係、室内空気交換に関わる物やヒトの移動と健康リスクの関係について明らかにした。
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