2009 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアの新石器時代遺跡出土編組製品等素材の考古植物学研究拠点の形成と展開
Project/Area Number |
21240071
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 三男 Tohoku University, 学術資源研究公開センター, 教授 (80111483)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米倉 浩司 東北大学, 学術資源研究公開センター, 助教 (00302084)
大山 幹成 東北大学, 学術資源研究公開センター, 助教 (00361064)
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Keywords | 編組製品 / 素材可能植物 / 遺跡出土編組製品 / 編組製品素材植物データベース |
Research Abstract |
本研究は、では、現在の考古植物学研究において最も欠けている「編組製品等」の素材研究に重点を置き、編組製品の素材となる可能性のある現生植物種の標本とその形態・組織解析用試料、DNA解析用試料の蒐集保存とともにその画像データベースの作成、書籍の手段も含めた公開、を行い、それらを活用して中国および日本の新石器時代遺跡出土の編組製品等の素材同定を行い、考古学、民俗学研究者との協働の下、東アジアの編組製品等の植物利用文化の起源、展開、伝播を解明しようとするものである。そのために初年度では次の事業を行った。 1)民俗事例の文献調査、遺跡出土編組製品の豊国の調査を行い、それらのデータベース化を進めると共に、それらを基に編組製品素材可能植物のリスト化を行った。 2)編組製品素材可能植物のリストに沿って、本科研費に依る出張とその他の機会も活用して北海道道、青森、岩手、宮城県地方等の東北地方、関東地方、四国、九州地方、琉球列島など、また、タイなど国外で素材可能植物の蒐集に努めた。これらの蒐集に際してDNA用試料も合わせて採集した。 3)これらの素材可能植物の切片を作成し、観察を行い、顕微鏡写真を撮影して画像データベースの準備を進めた。 4)同時に、DNA試料からの全DNAの抽出を行い、特定領域の解析に備えた。 5)佐賀市の東名遺跡の縄文時代早期の篭編みもの及び縄等について素材同定資料を新に約150点採取し、それらの切片作成と同定作業を行った。 6)東名遺跡籠編物の復元について、素材の植物種の特定、素材の入手方法、素材調整の方法等について、本科研費メンバーに加え、遺跡出土編組製品の研究者、篭編みもの制作者の協力を得て検討を行い、次年度での試作を行う方針を策定した。 以上の事業は初年度であることもあってスタートしたばかりであり、試料、データを今集積している最中でこれを次年度も続ける必要がある。
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