Research Abstract |
本科研は,地理情報科学のカリキュラムに基づいた教育を,高等教育をはじめとする教育現場で展開することを大きな目的にしている.そのために,カリキュラム詳細案の作成,地理情報テクノロジ(GIT)の教育・ツール開発,詳細カリキュラムに沿ったe-learning,教科書開発,空間的思考の体系化,初等中等教育での活用を検討することを課題にしている.プロジェクト開始の21年度は,本研究の基本となる地理情報科学の標準カリキュラム案をさらに詳細なものにすることを第一目標にし,「地理情報科学の知識体系(BoK)」の作成を行った.BoKは,21年末までに第1稿を書きあげ,執筆メンバーにより,相互レビューを実施した.このBoKは,22年度早期の一般公開を目指し,引き続き科研のメンバー全員で検討を行っている. この科研で進める他の課題はBoKの完成が前提であるが,その執筆作業と並行して,各班で研究を進めた.GITについては,独自のツールの開発を行い,プログラムのプロトタイプを作成した.e-learningは,システム構築の準備,空間的思考と教育に関する研究や,初等中等教育におけるGIS教育の動向の調査,空間的思考を養うツールの開発の検討を行った. また,本プロジェクトでは,多くの方々と研究成果を共有するために,21年9月に「地理空間的思考の教育研究」プロジェクトシンポジウムを開催した.さらに,海外の地理情報科学関連の研究者との連携を行っており,イギリスUCLのPaul Longley教授との研究方法の方向性に関する意見交換,アメリカ地理学会(AAG)のMichael Solem氏による空間的思考のスキルの教授法ワークショップを開催し,日米の空間的思考に関連する教育に関して情報交換を行った.
|