2011 Fiscal Year Annual Research Report
トレーサーによる湖沼と流域での物質循環定量化と診断:時間軸と起源・過程情報の活用
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21241001
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
福島 武彦 筑波大学, 生命環境系, 教授 (90124354)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
恩田 裕一 筑波大学, 生命環境系, 教授 (00221862)
辻村 真貴 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (10273301)
丸岡 照幸 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (80400646)
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Keywords | トレーサー / 湖沼・流域 / 物質循環 / 時間軸 / 起源・過程 |
Research Abstract |
(1)湖沼での底質コアサンプルの採取、各種トレーサー濃度鉛直分布測定とその解析、モデル化 池田湖、鰻池、湯の湖、曽原湖、小野川湖などの湖沼の湖心辺りで、40-50cm程度の不撹乱底泥コアサンプルを採取し、2cm間隔で分割し、各種物性を測定するとともに、栄養塩、色素、放射性核種濃度などの鉛直分布を測定すべく、前処理を行った。また、霞ヶ浦の水中ケイ素濃度上昇に伴う、植物プランクトン変化を解析し、その数理モデル化を試みるとともに、底質中の色素濃度から過去の水中藻類組成を推測する手法を構築した。さらに、湖底泥中での栄養塩、酸化一還元物質の移動、変化などをモデル化して解析した。すなわち、季節的に、また鉛直構造をもって酸化還元状態が変化する様子を再現することにし、それに伴い、リン、窒素などの栄養塩が表層水に溶出する状況を的確に表現できるようになった。 (2)流域、湖沼内での水、物質の流下経路、水質形成機構に関する調査、分析、モデル化 同位体、フロンなどのトレーサー等を活用して、霞ヶ浦とその流域を例として、水、特に地下水の流動現象を検討するとともに、湖岸流域における地下水と湖水の交流関係をモデル化する上での課題を検討した。これにより、流域、湖内での長期にわたる物質動態をモニターする技術が確立された。また、湖沼物質循環で最も重要なリン動態に関しては、無機態リンの起源を推定する手法をほぼ確立した。さらに、流域における地下水層での窒素蓄積現象を数理解析した。すなわち、マルチタンクモデルと準三次元連続モデルを組み合わせ、水と窒素の移動と変化をシミュレーションし、流域での長期にわたる物質の蓄積、循環をうまく表現できることを確認した。霞ヶ浦などの流域では過去に多くの畜産廃棄物が地下に投入されたが、その長期影響が評価可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多くの湖沼において底泥の採取を行い、各種分析を行う準備を行った。また、流域や湖内において、トレーサーを用いて水、物質動態解析を行うとともに、その結果をもとに数理モデル化を進めている。さらに、データ解析を行い、かなりの数の論文を執筆した。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は最終年度のため、データを解析し、多くの論文の執筆を計画している。
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Research Products
(17 results)
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[Journal Article] Fallout radionuclide-based techniques for assessing the impact of soil conservation measures on erosion control and soil quality : an overview of the main lessons learnt under an FAO/IAEA Coordinated Research Project2012
Author(s)
G.Dercon, L.Mabit, G.Hancock, M.L.Nguyen, P.Dornhofer, O.O.S.Bacchi, M.Benmansour, C.Bernard, W.Froehlich, V.N.Golosov, S.Haciyakupoglu, P.S.Hai, A.Klik, Y.Li, D.A.Lobb, Y.Onda, N.Popam, M.Rafiq, J.C.Ritchie, P.Schuller, A.Shakhashiro, P.Wallbrink, D.E.Walling, F.Zapata, X.Zhang
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Journal Title
J.Environmental Radioactivity
Volume: 107
Pages: 78-85
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Direct evidence for the alternation of 13C natural abundances during early diagenesis in Lake Kasumigaura, Japan2011
Author(s)
A.Kohzu, A.Imai, N.Ohkouchi, T.Fukushima, K.Kamiya, K.Komatsu, N.Tomioka, N.Kawasaki, S.Miura, T.Satou
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Journal Title
Geochemistry Geophysics Geosystems
Volume: 12
Pages: Q100008, 1-14
DOI
Peer Reviewed
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[Book] IAEA TECDOC 1665, 61-722011
Author(s)
Onda, Y., Mizugaki, S., Kato, H.
Total Pages
329
Publisher
Assessment of the contribution from surface erosion of forest floors to suspended sediment in mountainous forested catchments in the Tsuzura watershed, southern Japan
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