2012 Fiscal Year Annual Research Report
トレーサーによる湖沼と流域での物質循環定量化と診断:時間軸と起源・過程情報の活用
Project/Area Number |
21241001
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
福島 武彦 筑波大学, 生命環境系, 教授 (90124354)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
恩田 裕一 筑波大学, 生命環境系, 教授 (00221862)
辻村 真貴 筑波大学, 生命環境系, 教授 (10273301)
丸岡 照幸 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (80400646)
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Project Period (FY) |
2009-05-11 – 2013-03-31
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Keywords | トレーサー / 湖沼 / 流域 / 物質循環 / 時間軸 / 起源・過程 |
Research Abstract |
(1) 湖沼での底質コアサンプルの採取、各種トレーサー濃度鉛直分布測定とその解析、モデル化 2012年夏に霞ヶ浦湖心において4つの方法で採泥し、放射性セシウムの鉛直分布を比較することから、採泥手法の問題点を検討した。その結果、ダイバー採泥、不撹乱底泥採取器ではほぼ同一の鉛直分布を示すが、簡易重力式コアサンプラー、エクマンバージ型採泥器では表層部分が一部失われることがわかった。福島第一原発由来の放射性核種をトレーサーとして有効活用することができたといえる。また、霞ヶ浦、湯の湖、曽原湖、小野川湖、諏訪湖などの底質での放射性セシウム鉛直分布から、霞ヶ浦では表層10cm程度までかなり均一に分布し、降下後15カ月程度であることから表層泥の混合が激しいこと、その他の湖沼では表層0-2cmに高濃度が見られることから、あまり混合させていないことがわかった。さらに、底質中の栄養塩、酸化-還元に関係する物質群などを変数とした数理モデルを構築し、湖水中生態系モデルと結合させることから、リンの底質からの回帰現象を再現するとともに、底質中のリンの変化を予測可能とするモデルを構築した。 (2) 湖沼、流域での物質循環のレジームシフト解析 40年にわたる霞ヶ浦での水質、生態系情報を解析した結果、卓越藻類種、主要水質の値、変化特性などが急激に変化する時期が存在することがわかった。こうした時系列データに対してregime shift detectorを適用し、統計的に有意なシフトの時期、前後の値の変化などを求めた。大きくは1990年、2000年あたりにいろいろな特性が変化したことが明らかになった。1990年あたりでの変化は、その前に生じた動物プランクトンの異常増殖、2000年あたりの変化は藻類組成変化にともなう底質変化等が契機となったのではないか、と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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