2009 Fiscal Year Annual Research Report
人工林における間伐が土壌有機物の動態および森林による炭素吸収に及ぼす影響
Project/Area Number |
21241002
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
東 照雄 University of Tsukuba, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (20094170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 憲司 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 准教授 (70211373)
上條 隆志 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 准教授 (10301079)
和頴 朗太 (独)農業環境技術研究所, 物質循環領域, 任期付研究員 (80456748)
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Keywords | 人工林の間伐 / 土壌有機物 / 土壌呼吸量 / 森林の炭素吸収 / 地球温暖化 |
Research Abstract |
平成21年度申請書に従って、(1)筑波大学農林技術センター川上演習林内のカラマツ林で研究地点の設定を行った(土壌は、火山灰由来の酸性褐色森林土である)。茨城県内のスギ・ヒノキ人工林については、研究目的に合う研究地点の選定が平成21年度には行えず、平成22年度に、福島県いわき市で行う予定である。演習林内の上記カラマツ林の研究地点に、70mX50mのコドラートを設置し、56個の5mX5mのサブコドラートを設けた。地形測量、毎木調査および壌調査を行ない、特に、土壌調査では、O層・A層の層厚も合わせて行った。間伐前の土壌の分析を行い、現状を把握した。これには、研究地点である斜面下部と上部の土壌断面の層位別試料とサブコドラートの表層5cmの土壌試料について行った。上記の研究地点を斜面上部と下部に2つに分け、それぞれ、10か所のサブコドラートを選定し、土壌温度計(5cm深)を埋設した(平成22年5月に最初の回収予定)。そして、新規に購入した土壌呼吸測定装置により、平成21年10月から冬季も含めて定期的に土壌呼吸量の測定を行った。その結果、現在までに、土壌呼吸量には季節的な変化があること(既存研究と同様に、地温との相関が高いと考えられる)、冬季でも土壌呼吸が認められること、特に、積雪表面からはその量が高いことなどが観測された。このことは、カラマツ林の間伐前の状態を把握する場合、特に年間の土壌呼吸量について検討する場合、冬季の呼吸量を考慮することで、より正確な値が得られると考えられた。本研究は、本年度に開始したので、現在までに、論文・発表などの研究業績は上がっていないが、平成22年度以降の成果が期待される。
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