2010 Fiscal Year Annual Research Report
複雑地形地におけるフラックス観測の代表性と広域化に関する研究
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21241009
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
近藤 裕昭 独立行政法人産業技術総合研究所, 環境管理技術研究部門, 副研究部門長 (60357051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村山 昌平 独立行政法人産業技術総合研究所, 環境管理技術研究部門, グループ長 (30222433)
玉川 一郎 岐阜大学, 流域圏科学研究センター, 准教授 (40273198)
斎藤 琢 岐阜大学, 流域圏科学研究センター, 研究機関研究員 (50420352)
飯塚 悟 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (40356407)
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Keywords | 二酸化炭素フラックス / 渦相関法 / 風洞実験 / 森林キャノピー / RANS / LES |
Research Abstract |
今年度は風洞実験、数値モデル開発、現地観測について以下のような結果を得た。 1.風洞実験 21年度に平板上の面源として開発したエアーストーン板を用いてこれを2次元の山岳状に配置して拡散実験を行い、山岳の各部位におけるフラックス測定を行った。エアーストーン板に流入させるトレーサーガスについて、圧力変化を考慮する必要がわかった。山岳の上流側と下流側でフラックスの測定値にやや乖離がみられ、上流側では角度補正後もフラックスが負の値となった。今後実験条件と結果について詳細に検討を行う。また昨年度実施した金網キャノピーの風洞実験について、相当する葉面積指数を求めた。 2.数値モデルの開発 (1)現地を対象とした計算では、高山地区の観測点が含まれる領域を対象に、複雑地形上でのフラックス分布に関して地形による日射への影響、気象モデルによる気流場の影響の調査を続けた。(2)パラメータ調整用モデルの開発では、昨年度に引き続き、非一様の植生キャノピー乱流解析のためのLESモデルの開発を行った。今年度は、オープンスペースを含む不均一で非一様な植生キャノピーを対象とした解析を行い、オープンスペースの間隔とキャノピー乱流の発達過程の変化についての検討を行った。キャノピー乱流の発達過程に関しては、歪度などの統計量を用い、突風域や(キャノピー乱流が十分に発達するまでの)調整域の大きさと支配パラメータについて検討した。 3.現地観測 TKCサイトを対象とした渦相関法によるCO2フラックスデータを用いて、CO2貯留変化量の有無が炭素収支の推定にどの程度誤差を生じさせるかを評価し、CO2濃度プロファイル計測の必要性について考察した。その結果、TKCサイトではCO2濃度プロファイル計測なしであっても、サイト間比較研究に耐えうる精度で炭素収支量の推定を行える可能性が示唆された。TKY,TKCサイトについて斜面上のフラックス観測の強化観測を実施している。
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Research Products
(8 results)