2009 Fiscal Year Annual Research Report
複合材料からの無機・有機原料の同時フィードストックリサイクル
Project/Area Number |
21241018
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉岡 敏明 Tohoku University, 大学院・環境科学研究科, 教授 (30241532)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀田 知人 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (60333895)
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Keywords | リサイクル / フィードストック / 複合材料 / 無機・有機原料 / ポリエチレンテレフタレート |
Research Abstract |
プラスチックを還元剤とした金属のリサイクルや,PETを基板材料とした銀含有のX線フィルムからのベンゼン生成と銀のリサイクルを行い,プラスチックという有機材料と金属等の無機材料のリサイクルが可能であることを立証した。特に,消石灰あるいは生石灰を触媒とすることでPETから理論収率の90%をベンゼンとして高選択的に生成できることに世界で初めて成功した。熱分解後に残るCaOあるいはCaCO_3中の銀は,既存の電解精錬によって95%の回収が可能であり,その品位も99%以上であることを確認している。本申請課題は,これらの成果をさらに学理へと発展させ,新しいフィードストックリサイクル概念の例を実用レベルで社会に示すことができるリサイクルプロセスを構築した。 (1)有機・無機複合ポリエステル材料熱分解 フィルム,繊維,テープ,カード類等,様々なポリエステル類を基盤材料とした有機・無機複合材料を熱分解し,有機化学原料化の可能性およびその生成プロセスの基本設計を構築した。 (2)触媒としてのCaOの機能の向上化 ポリエステル類の加熱・加水分解で生成する有機酸がCaOを触媒としてCa-有機酸塩を形成し,生成したCa-有機酸塩が特異的に分解する。このため,Ca-有機酸塩の生成効率が,全体の収率,及び選択性に大きな影響を与える。本年度はCaOの強度,粒子サイズ,流動性を評価し,その結果を基に,有機化学原料化の収率,及び選択性を向上させることに成功した。
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