2009 Fiscal Year Annual Research Report
磁化活性汚泥法を軸とするサスティナブルな水処理法の先端的研究
Project/Area Number |
21241020
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
酒井 保蔵 Utsunomiya University, 大学院・工学研究科, 准教授 (70186998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井原 一高 神戸大学, 大学院・農学研究科, 助教 (50396256)
岩渕 和則 宇都宮大学, 農学部, 教授 (00193764)
小原 健司 金沢工業大学, 工学部, 教授 (20354318)
前田 勇 宇都宮大学, 農学部, 准教授 (10252701)
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Keywords | 磁化活性汚泥法 / 下水処理 / 酪農廃水処理 / 畜産廃水 / 高度処理 / 磁性粉 / 磁気分離 / 汚泥減量 |
Research Abstract |
畜産廃水処理への磁化活性汚泥法の適用研究では、高濃度のSS成分が問題であったが、これらSS成分の除去プロセスを前段に配することでCODを除き基準値以下まで浄化されることが示された。除去されたSS成分の有効活用法のための炭化プロセスについても検討された。従来プロセスと比較して、処理時間の8割短縮、維持管理容易、余剰汚泥ゼロなどが確かめられた。COD除去については次年度の課題として検討する予定である。畜産廃水は地下水の窒素汚染の原因とされ、簡便な廃水処理法の開発は重要な意義をもつ。窒素については問題ないレベルまで除去でき、回収も可能なプロセスとなっている。また、磁化活性汚泥法による処理水中に残留するSS除去のための磁気分離装置の適用を検討し、残留するSSを国内上乗せ基準以下まで低圧損かつ高速で除去できることを明らかにした。このプロセスは一般的な水処理の三次処理としてリンとSSの高速同時除去に活用できると考えられた。下水高度処理への適用研究では下水流入と曝気のタイミングを制御することで70%の窒素が除去された。前出の三次処理と合わせて有機物・窒素・リンの高度処理を余剰汚泥ゼロで構築できることが示唆された。維持管理が簡単で余剰汚泥処理が発生せず、誰でもどこでも利用できる磁化活性汚泥法は、国内だけでなく、従来の活性汚泥法では維持管理が難しいため運用が難しいとされた発展途上国の水環境保全でも有用なプロセスとして期待される。染料廃水への適用についてバングラデシュ・ダッカ大との国際共同研究を進め、間欠曝気で有機物のほとんどの除去と一部の色素の脱色が可能であることを確かめた。これらの成果は水環境学会、低温工学会などで発表され、国際会議MAP4での発表も予定されている。磁気分離研究者ネットワークの育成のため磁気応用・磁気力制御 夏の学校の開催に協力した。
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