2010 Fiscal Year Annual Research Report
磁化活性汚泥法を軸とするサスティナブルな水処理法の先端的研究
Project/Area Number |
21241020
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
酒井 保蔵 宇都宮大学, 工学研究科, 准教授 (70186998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井原 一高 神戸大学, 大学院・農学研究科, 助教 (50396256)
岩渕 和則 宇都宮大学, 農学部, 教授 (00193764)
小原 健司 金沢工業大学, 工学部, 教授 (20354318)
前田 勇 宇都宮大学, 農学部, 准教授 (10252701)
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Keywords | 磁化活性汚泥法 / 下水処理 / 酪農廃水処理 / 畜産廃水 / 高度処理 / 磁性粉 / 磁気分離 / 汚泥減量 |
Research Abstract |
(1)汚泥の磁気分離装置の設計・開発、(2)種々の排水への適用、(3)磁性粉と汚泥の吸脱着制御、(4)磁化活性汚泥の菌叢解析、(5)国内外の研究交流促進を研究目的として研究を実施した。(1)汚泥磁気分離装置の開発では、磁化活性汚泥流出水に少量の磁性粉と凝集剤を加えて20~30mg/L濃度の懸濁物質とリンを同時除去するプロセスを構築した。500m/dの高速で10mg/L以下の懸濁物質濃度、1mg/L以下のリン濃度まで磁気分離することができ、分離汚泥の剥離も瞬間的におこなうことができた。(2)種々の排水への適用では、無機懸濁物質を含む排水や有機懸濁物質を含む畜産排水への処理を検討し、低濃度の無機懸濁物質は磁化活性汚泥法をそのまま通過し問題とならないこと、畜産排水は前処理と組み合わせて従来法の3倍の高速処理が達成できた。また難分解性物質であるジメチルホルムアミドや殺菌剤である過酸化水素が含まれる有機排水に対しても馴養が深化することでトラブルなく生分解できることを明らかにした。(3)磁性粉と汚泥の吸着メカニズムについては不明の点が多いが、粒子径を最適化することで磁力での脱着が可能であることを明らかにした。磁気力により十数秒の短時間で90%以上の磁性粉濃度まで磁性粉濃縮された汚泥を回収することができた。これらの成果は水環境学会低温工学会、MAP4などで合計32件の発表をおこない積極的に公開した。また、(4)磁化活性汚泥法の研究ネットワークの構築を促進するために毎年開催されている磁気分離、磁気力制御夏の学校(東京)の開催に協力し、国内外の磁気分離関連の若手研究者の研究交流を推進した。また、バングラデシュ・ダッカ大、中国・華中科技大の教授と研究交流もおこなった。
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Research Products
(34 results)