2011 Fiscal Year Annual Research Report
バイオフィルム形成メカニズムの解明とその制御技術の開発
Project/Area Number |
21241022
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
野村 俊之 大阪府立大学, 工学研究科, 准教授 (00285305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉岡 健一 東北大学, 工学研究科, 助教 (80438233)
徳本 勇人 大阪府立大学, 工学研究科, 助教 (70405348)
木下 卓也 大阪府立大学, 工学研究科, 助教 (90453141)
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Keywords | バイオフィルム / 相互作用 / 付着力 / 帯電性 / 疎水性 / 磁性粒子 |
Research Abstract |
本研究では、流れ場における微生物のバイオフィルム形成機構を解明し、それが原因となる微生物劣化や微生物汚染の防止技術を開発することを目的とする。平成23年度の研究では、主に以下の結論を得た。1.微生物が固体界面に付着するときの実測値に基づいた自由エネルギー変化の値が負の場合、密なバイオフィルム、正の場合、コロニー状のバイオフィルムが形成されることが分かった。2.種々の流れ場を形成し、バイオフィルムの形成実験を行った結果、オリフィスの出口側においてバイオフィルムが最もよく形成されることが分かった。3.DNA分解酵素を吸着させた金/磁性複合ナノ粒子を用いてバイオフィルムの分解実験を行った。その結果、予めバイオフィルムが形成され易い場所に磁力により粒子を捕捉するとバイオフィルム形成を抑制できることが分かった。これは、磁力により粒子をバイオフィルム上に捕捉するよりも効果的であった。4.壁近傍での単一粒子および非粘性気泡周りの流れ場およびそれらに働く流体力について直接数値計算法により明らかにした。その結果、粒子レイノルズ数が300を超えると、壁がない場合には非定常渦が発生し、流体力もそれに伴い非定常になるが、壁近傍になると、壁に近づくにしたがい、非定常渦の時間変動が小さくなり、非常に近くなると、渦が定常になり、流体力の変動もないことが分かった。5.バイオフィルム分解物の有機炭素・窒素量を測定することで、バイオフィルムの形成量、分解量の理論的予測が可能となり、モニタリング技法として利用できることが分かった。6.噴霧熱分解法と液相PLD法を用いて、酵素固定化磁性担体(金/磁性複合ナノ粒子)の開発を行った結果、粒子径200-400nm、金粒子径5-20nmの範囲で制御できることが分かった。また、磁石により移動・固定できるナノ粒子上に吸着させた酵素が活性を発現することも確認できた。
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Research Products
(18 results)