2011 Fiscal Year Annual Research Report
ナノシリコン弾道電子源の液体・気体・固体中動作と応用
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21241037
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| Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
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Principal Investigator |
越田 信義 東京農工大学, 大学院・工学府, 特任教授 (50143631)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BERNARD Gelloz 名古屋大学, 国際交流協力推進本部, 特任准教授 (40343157)
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| Keywords | ナノシリコン / 量子閉じ込め効果 / 弾道電子放出 / 多重トンネル / 還元効果 / 固体薄膜堆積 / 真空紫外光発生 / 光キャリア増倍 |
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| Research Abstract |
ナノシリコンを用いた弾道電子エミッタの液体・気体・固体中の動作機能を解析し、各媒質における弾道電子の注入効果と応用可能性を明らかにした。主な成果を以下に示す。
1.液体中動作による薄膜堆積への応用
動作液体を前年度までの金属塩水溶液だけなく種々の物質塩溶液に拡大し、弾道電子の還元作用を詳細に解析した。その結果、金属薄膜だけでなく、シリコン、ゲルマニウムの半導体薄膜も電子放出面に堆積できることを見いだした。堆積した半導体薄膜の構造・組成を透過電子顕微鏡、光電子分光などによって評価し、汚染のない膜が均一に形成されていることを確認した。また弾道電子によって正イオンの還元が生じていることをサイクリックボルタモグラム測定により裏付けた。さらに還元モデルに基づいた解析によって薄膜堆積レートを定式化し、低温ながら種々の材料薄膜が実用的な速度で形成されることを示した。
2.気体中動作と特性の解析
大気圧ガス中への弾道電子注入によって生じる分子内励起・緩和の過程を実験的に解析し、真空紫外光発生を効率的に起こすための条件として、弾道電子の放出密度と平均エネルギーのそれぞれに対して求められる値および範囲を定量的に明らかにした。
3.固体中動作と素子化の基礎検討
ナノシリコン層における弾道電子生成を光導電や太陽電池の高効率化に生かす基礎検討として、先に見いだした燐光現象および光キャリア増倍効果を実験的・理論的に解析した。その結果、ナノ構造がトンネル酸化膜で連結した材料では、光エネルギーがゲスト物質へ転移すること、生成した弾道電子ないし熱い電子による衝突電離頻度がバルクの場合よりも高くなることがわかった。この結果をふまえ、キャリア増倍の効率に影響する構造因子を明らかにした。
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