2013 Fiscal Year Annual Research Report
長鎖非翻訳RNAを介したクロマチン/染色体機能の制御
Project/Area Number |
21241046
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
太田 邦史 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (90211789)
|
Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | ノンコーディングRNA / クロマチン / ヒストン修飾 / 転写制御 |
Research Abstract |
長鎖非コードRNA(lncRNA)は、近年遺伝子発現制御に重要な役割を果たすことが示されつつある。分裂酵母の糖新生に関与するfbp1+遺伝子の上流域から、グルコース飢餓ストレスに応答してlncRNAの一種である代謝ストレス応答性lncRNA(mlonRNA)が合成される。グルコース飢餓時にmlonRNAがカスケード的に転写されると、多段階のクロマチン再編成が誘発され、fbp1+遺伝子の大規模な活性化に至る。これは、mlonRNAのカスケード転写によってもたらされるクロマチン再編成により、転写活性化因子の結合が促進されると説明されている。本研究ではmlonRNAの普遍性を網羅的転写物解析により検証するほか、クロマチン構造・エピゲノム修飾などとの関係、RNAとしての安定性の制御機構を解析した。 本年度は、mlonRNAの転写が、開始点近傍に存在するCRE配列への転写活性化因子Atf1の結合を促進する効果があることを明らかにした。Atf1のCREへの結合はmlonRNAの転写に必須であるが、それ自体がmlonRNA転写によって促進されるため、一種の「ポジティブ・フィードバック機構」の存在が示唆された。ゲノムワイド解析結果については論文を作成中である。また、アンチセンスRNAはセンスのmlonRNAやmRNAと相反する転写パターンを示すことから、fbp1+遺伝子発現を負に制御する可能性が示唆された。さらに、グルコース飢餓後にグルコースを再添加すると、急速にfbp1+のmRNAが不安定化することを見出した。現在この過程におけるアンチセンスRNAの役割を検証している。さらには、マウス細胞でfbp1+で長鎖のアンチセンスRNA転写を確認した。これまでの研究で、ゲノムワイド解析、クロマチン制御、安定性制御に関して、当初の目的を大方達成した。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(19 results)