2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21241050
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐々木 誠 Tohoku University, 大学院・生命科学研究科, 教授 (80235267)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
不破 春彦 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 准教授 (90359638)
此木 敬一 東北大学, 大学院・農学研究科, 准教授 (40292825)
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Keywords | ガンビエル酸 / ポリカバノシドA / ゴニオドミンA / 実践的全合成 / 機能解析 |
Research Abstract |
本研究課題は、強力かつ重要な生物活性を示す巨大複雑天然物のグラムスケールでの供給と多様な人工類縁体合成を可能にする高効率的かつ実践的な全合成ルートの確立と機能解析を目的としている。ガンビエル酸類は強力な抗真菌活性を示す巨大ポリエーテル天然物である。本年度は、ガンビエル酸類の分子中央部CDEFG環部の新たな収束的合成法を開発するとともに、分子左側鎖を導入したA/BCD環フラグメントおよびGHIJ環フラグメントの合成ルートを確立した。ゴニオドミンAは、細胞骨格タンパク質アクチンに作用するポリエーテルマクロリドであり、2008年に当研究室により完全立体構造が明らかにされた。本年度はまず、C15-C25に相当するビニルスズおよびC26-C36に相当するチオールエステルをそれぞれ、Shrapless不斉エポキシ化/exo-環化、Carreira不斉アルキニル化を鍵反応として合成した。さらに、両フラグメントを銅(I)塩存在下、パラジウム(0)触媒を用いるLiebeskind-Sroglクロスカップリングにより連結し、続くLuche還元によりC15-C36フラグメントを立体選択的に合成することに成功した。本合成により、複雑な多官能性フラグメントの連結におけるLiebeskind-Sroglカップリングの有用性を実証した。ポリカバノシドAは、テトラヒドロピラン環を含むマクロリド配糖体であり、ヒト致死活性を有する。鈴木-宮浦カップリングを鍵反応とする収束的なマクロリド骨格の構築を計画した。本年度は、マクロリドの南半球に相当するC1-C8および北半球に相当するC9-C16の各フラグメントの効率的な触媒的不斉合成ルートを開発した。
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Research Products
(12 results)