2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21241053
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
関根 光雄 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (40111679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大窪 章寛 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助教 (60376960)
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Keywords | RNA合成 / 筋ジストロフィー / 2'水酸基の保護基 / RNA医薬 / Michael反応 / シアノエチル基 / アミダイトユニット / MCE基 |
Research Abstract |
本研究では、高効率合成を可能とする世界最小の2'水酸基の保護基を用いるRNAの新規化学合成法の開発を行う。この際、RNAを医薬品あるいは遺伝子診断ツールとして活用する際の最大の問題点である化学的および酵素学的不安定性を克服した新規RNA誘導体も同じRNA合成モノマーユニットから創出できる画期的な新規RNA合成法の開発を行うことが目的である。これまで研究を継続してきたシアノエチル基を2'水酸基の保護基として用いるRNAの化学合成を確立することができたので、本年度はこの化学合成の研究中に見いだしたアクリル酸メチル誘導体との新しいリボヌクレオシドの2'-水酸基に対する選択的なマイケル反応を徹底的に活用し、2'水酸基に2-(N-メチルカルバモイル)エチル(MCE)基を導入した酵素耐性能をもつ新規RNAの合成法の確立を行った。とくに筋ジストロフィー病の治癒を指向して、モデルマウスであるMDX52の標的エキソン部位に強力に結合できる相補的な塩基配列をもつ2'位にMCE基を導入した酵素耐性能をもつホスホロチオエート型のRNA30量体の合成にとりくみ、種々検討した結果、収率よく合成することに成功した。この化学合成されたホスホロチオエート型のRNA30量体は実際に、MDX52に投与したところ、現在知られている2'-0-メチルRNA誘導体よりもエキソン・スキッピング活性が強いことがわかった。さらに、マイケル反応を活用して、2'-水酸基に2-(N-フェニルカルバモイル)エチル(PCE)基を導入した対応するホスホロチオエート型のRNA30量体も合成することに成功したが、このもののエキソン・スキッピング活性は弱いことがわかった。
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