2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21242003
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤岡 穣 大阪大学, 文学研究科, 教授 (70314341)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 半跏思惟像 / 金銅仏 / 東アジア / 野中寺弥勒菩薩像 / 蛍光X線分析 / 三元系図 |
Research Abstract |
本研究は、金銅製の半跏思惟像およびその関連作品について、蛍光X線分析(XRF)、X線透視撮影、内視鏡およびマイクロスコープによる撮影、3次元計測といった光学的調査に基づいて各々の制作地の比定を試み、新たな研究基盤を築くことを目指す日韓共同研究である。 本年度は、以下の通り調査を実施した。アメリカ調査では、ハーヴァード大学サックラー美術館で7件、ボストン美術館で2件、メトロポリタン美術館で8件、フリア・ギャラリーで14件の金銅仏についてXRFを含む調査を実施し、その他、関連作品について写真撮影等の調査を実施した。韓国調査では、国立扶余博物館で金銅仏3件と石仏2件、国立全州博物館で金銅仏4件の調査を実施し、その他、国立公州博物館、国立清州博物館、扶余文化財研究所、弥勒寺遺址、蓮洞里石仏において写真撮影等の簡易な調査を実施した。関西調査では、京都国立博物館で2件、大和文華館で4件、野中寺で1件、大聖勝軍寺で1件、泉屋博古館で4件の金銅仏調査を実施した。その他、中国四川省等において関連作品の調査を実施した。 一方、研究成果については、ハーヴァード大学ライシャワー・センター国際シンポジウム「日本仏教研究の領域複合的解明の試み―宗派性の超克―」、大阪大学総合学術博物館企画シンポジウム「日本の大仏はなぜ“若々しいか”―美術史、化学、修復から見た金銅仏の祭神研究―」、奈良教育大学開催「百済文化国際シンポジウム」、さらに大阪大学文学研究科共同研究「日本史・美術史・考古学の領域横断的研究」講演会において口頭発表を行った。以上の発表では、東アジアの金銅仏の製作地の判定についてはXRFによる成分分析に一定の有効性があること、様式や製作技法の検討も加味すると、一部の作例については製作地を再検討すべきことが明らかになったことなどを報告した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)