2010 Fiscal Year Annual Research Report
南アジアおよび東南アジアにおけるデーヴァラージャ信仰とその造形に関する基礎的研究
Project/Area Number |
21242004
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
肥塚 隆 大阪大学, 名誉教授 (90027988)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 邦一 奈良女子大学, 古代学学術研究センター, 特任教授 (70000495)
深見 純生 桃山学院大学, 国際教養学部, 教授 (40144555)
橋本 康子 大阪人間科学大学, 人間科学部, 教授 (20411720)
榎本 文雄 大阪大学, 文学研究科, 教授 (70151991)
渡辺 佳成 岡山大学, 社会文化科学研究科, 准教授 (80210962)
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Keywords | 南アジア / 東南アジア / ヒンドゥー教 / 仏教 / 美術史 / 建築史 / デーヴァラージャ |
Research Abstract |
同じ研究代表者による平成14年度~16年度、平成18年度~20年度の基盤研究Aを継承発展させて4年間の予定で実施する研究の2年度で、初年度と同様に以下の通り研究会と現地調査とを活動の中心とした。 1. 研究会一般に公開して実施する研究会は、7回開催し、大阪人間科学大学を通例の会場とするほか、上智大学でも開催した。研究成果欄に記した補助事業者以外の発表は、次の通り。(1)4月17日松浦史明「ラージャラージャ1世期の王権と寺院」和田一将「パッラヴァ朝寺院における「小祠堂装飾」に関する類型的考察」(2)5月29日Gethin Rees,"Buddhism and Trade : Rock Cut Caves of the Western Ghats,"(3)7月17日青山亨「古ジャワ語文献にみる「神=王」観念を表わす表現の用例と意味」(4)8月24日永田郁「スリランカの遺跡と博物館」(5)10月17日上智大学四谷キャンパス袋井由布子「南インド現存のパッリッパダイについて」松浦史明「アンコールにおける個人崇拝と肖像の作成について」(6)11月13日松浦史明「W.M.Sirisena, Sri Lanka and South-East Aslaについて」。 2. 現地調査次の2回実施した。(1)9月1日~19日、参加者、肥塚、上野、深見、渡辺、淺湫、小野、(以下は研究協力者)永田郁、松浦史明、スリランカの遺跡と博物館(主な調査地Bandarawela, Nalanda, Dambulla, Sigiriya, Polonnaruwa, Anuradhapura, Trincomallee, Aukana, Mihintale, Colombo National Museum)。(2)12月19日~23年1月10日、参加者、肥塚、上野、深見、橋本、渡辺、淺湫,丸井、小野、(以下は研究協力者)佐藤恵子、カンボジアの遺跡と博物館(主な調査地Angkor Area, Preah Vihear, Preah Khan of Kompong Svay, Banteay Chmar, Battambang Beng Mealea, Koh Ker, Angkor National Museum, Sihanouk-Angkor Museum)。 以上の研究会と現地調査の結果、次の諸点が明らかにされた。(1)支配者の神格化は、北インドではクシャーナ朝以外では明確ではなく、南インドではパッラヴァ朝とチョーラ朝において顕著である。(2)スリランカでは従来上座仏教の遺品が注目されてきたが、ヒンドゥー教や大乗仏教のそれも無視できないことが確認された。(3)フランス極東学院によるクメール彫刻史の編年に対し、疑義が提出された。(4)ポスト・バイヨン期の廃仏の再検討が問題となった。
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Research Products
(32 results)