2011 Fiscal Year Annual Research Report
帰納的ゲーム論:信念・知識の起源と進化、その限定性と意志決定・行動との相互関連
Project/Area Number |
21243016
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
金子 守 筑波大学, システム情報系, 教授 (40114061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 信行 静岡大学, 理学部, 教授 (60216421)
秋山 英三 筑波大学, システム情報系, 教授 (40317300)
石川 竜一郎 筑波大学, システム情報系, 講師 (80345454)
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Keywords | 帰納的ゲーム理論 / 経験 / 記憶 / 他人の思考 / 協力の発生 / 被験者実験 |
Research Abstract |
平成23年度は本研究プロジェクトの第3年目であり、資料・情報収集および帰納的ゲーム理論の具体的研究を進展させた。情報提供者をセミナーに呼びワークショップを定常的に行い、本プロジェクトの進展を他研究者達にレビューしてもらうために、国内外のコンファレンスに参加した。また他大学において情報収集を行い、他の専門家達からの意見を聞いた。 その活動の一環として、研究代表者金子守・研究分担者:秋山英三・石川竜一郎は、筑波大学において、6月4日「脳科学と経済実験―人間社会の理解」、11月26日「社会認識と社会制度」という研究会を開催し参加した。また、海外から2名の研究者を招聘し、筑波大学にて平成24年1月12日-13日Workshop on Epistemic Logic and Game Theoryという研究会を開催した。これらの研究会には学外から多くの参加者があり、本プロジェクトの研究の進展のため大いに役立った。 具体的研究:研究代表者(金子)と海外研究協力者(J.J.Kline)は、人間が経験からいかに信念・知識を獲得するかについて、また、その信念・知識を使い新たに意思決定を行い、行動を変化させる可能性などに関して研究を行った。同時に被験者実験も行った。更に、帰納的ゲーム理論に関しての計算機シミュレーションの研究も研究分担者(秋山、石川)によって進められた。また、認識論理学において、限定された推論能力をもったプレイヤーの研究を研究代表者(金子)と分担者(鈴木)が進めた。ゲンツェン流の認識論理の体系で、証明(推論)の複雑性を定義し、その性質を研究した。これらの研究により、帰納的ゲーム理論の経験的・理論的基礎を発展させられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
帰納的ゲーム理論の実験的研究・計算機シミュレーション研究・理論的研究・概念(哲)的研究など、多くの側面の研究が進展している。認識論理からのゲーム理論の研究も進展しつつあり、当プロジェクトの当初計画以上に順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
帰納的ゲーム理論に関しては、社会的役割を導入した研究が理論的にも実験的にも進展しつつあり、今年度・来年どはこれらに関して更なる研究を行う。また、認識論理学とゲーム理論に関しても自分の意思決定と他人の決定に関しての予測の問題の研究が進展しつつある。今年度はこれらに関しての研究論文を完成させたい。
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Research Products
(23 results)