2013 Fiscal Year Annual Research Report
非線型楕円型方程式の大域理論の比較研究を通じた統一的理解の研究
Project/Area Number |
21244010
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
小澤 徹 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70204196)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 和永 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20188288)
小池 茂昭 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (90205295)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 関数解析学 / 関数方程式論 / 実関数論 / 非線型偏微分方程式 |
Research Abstract |
本年度は主要部がラプラシアンの分数冪となっている非線型シュレディンガー方程式を研究した。これは無質量の半相対論的古典場のモデル方程式であり、フレーリッヒ・レンズマンのボゾン星の崩壊理論で取り上げられた事もあって、最近特に研究が盛んになっている方程式である。本研究では、非線型楕円型方程式の大域理論の観点から、分数冪シュレディンガー方程式の定在波の存在とその安定性を中心に考察を深めた。その研究過程に於いてCazenave-Lionsの方法論を分数冪の場合に拡張した理論を構築した。また、基底状態の遠方での指数函数的減衰を、動径方向の重みと球面方向の滑らかさを考慮した函数空間において、動径方向の減衰度がもたらすコンパクト性を駆使した変分解析的手法と動径変数に基づいた常微分方程式論的手法を組み合わせる事により、最良の評価を導出した。 シュレディンガー方程式の連立系に対しては、新たにラグランジアンを定義する事により、質量共鳴条件と変分構造との関係を見出した。これにより、質量共鳴の新たな役割の記述が可能となり、二次相互作用における波動函数の複素共軛を通じた寄与の意義が、ラグランジュ形式の立場から明確になった。 また、関連する函数空間論や調和解析学においてはローレンツ空間や球体上のハーディーの不等式について新たな知見を得た。特に球面上の境界条件が決定的な役割を果たす事を示す反例を構成する事が出来た。これにより、ルレイやラジゼンスカヤが定式化した流体力学の基礎的定式化において零ディリクレ条件が本質的である事が説明可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(37 results)