2011 Fiscal Year Annual Research Report
サブミリ波VLBI観測による銀河系中心巨大ブラックホールの事象の地平線の観測
Project/Area Number |
21244019
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
本間 希樹 国立天文台, 水沢VLBI観測所, 准教授 (20332166)
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Keywords | ブラックホール / サブミリ波 / VLBI / 事象の地平線 |
Research Abstract |
国立天文台がチリ共和国のアタカマ高地に有するASTE望遠鏡を用いて2010年4月に行ったVLBI観測について、相関処理を国立天文台の三鷹で進めた。この相関処理においては、我々がこれまで開発してきたソフト相関器を用いて非常に広いパラメーター範囲内でフリンジ探査を行った。その結果、チリ基線では目標天体、参照電波源ともフリンジが検出されなかった。この原因については、チリを含む基線は6000kmから9000kmと長いために天体の構造が著しく分解された可能性がある。しかし一方で、何らかの装置トラブルが発生していた可能性も完全に排除することはできない。もし天体が分解されたとした場合には、チリを含む基線での天体の強度が1Jy程度以下という制限が得られ、天体の輝度温度を制限する科学的に有意な情報が得られる。また、2011年4月には米国の3局のアレイを用いた国際サブミリ波VLBI観測が行われ、この観測についてもデータ解析を国際共同で進めている。この観測については、国立天文台のVERAおよび韓国のKVNを用いたフォローアップ観測も実行した。これら2010年および2011年の観測データの処理に関連して、米国MITのヘイスタック観測所に滞在して国際共同研究を進めている。さらに、今後のサブミリ波VLBIの発展の可能性についても国際サブミリ波VLBIチームの中で議論を行い、ASTEなどを用いた実験に加えて、将来的にはALMA(Atacama Large Millimeter/sub-millimeter Array)をphase-upさせてVLBI観測を行う方向性が確認され、この中で今後日本の分担についてもその方向性が凡そ確立した。
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Research Products
(5 results)