2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21244020
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
牧野 淳一郎 National Astronomical Observatory of Japan, 天文シミュレーションプロジェクト, 教授 (50229340)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
船渡 陽子 東京大学, 総合文化研究科, 助教 (80292720)
中里 直人 会津大学, コンピュータ理工学部, 准教授 (00392051)
和田 桂一 鹿児島大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (30261358)
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Keywords | 重力多体問題 / 専用計算機 / 惑星形成 / 銀河形成 / ハイパフォーマンスコンピューティング |
Research Abstract |
本研究の目的は、次世代の重力多体問題専用計算機GRAPE-8を開発し、それを有効に利用することで惑星形成、星団の進化、銀河形成等の研究を進めることである。 今年度は、プロセッサチップの設計をおこなった。プロセッサチップにはStructured ASICであるeASIC社のN2Xを用いることにした。近年、カスタムLSI試作の初期コストは数億円以上と高価なものになっているが、Structured ASICは単一VIA層以外を固定とすることで初期コストを下げたデバイスである。その代償として、集積度は低く、現在利用を想定しているN2X740の場合では740万ゲート、すなわち3000万トランジスタと、最先端のカスタムLSIの1/10以下、最大規模のFPGAと同等である。しかし、数百から数千個程度製造の場合には時のゲート単価ではFPGAの1/10以下、カスタムLSIに比べても安価となる。 ゲート規模が小さいため、計算精度を落として回路規模を小さくすることが重要となる。このため、惑星形成のような衝突系の計算でも、遠距離の粒子からの力は低精度で計算することを可能にする新しいアルゴリズムを開発した。この方法では、粒子間相互作用を遠距離力と近距離力の2つのタームに分割するため、プロセッサチップはそのためのカットオフ関数を実装する。このようなカットオフ関数を備えるプロセッサチップの設計を行ない、N2X740デバイスに実装可能であることを確認した。
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Research Products
(4 results)