2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21244020
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
牧野 淳一郎 国立天文台, 天文シミュレーションプロジェクト, 教授 (50229340)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
船渡 陽子 東京大学, 総合文化研究科, 助教 (80292720)
中里 直人 会津大学, コンピータ理工学部, 准教授 (00392051)
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Keywords | 重力多体問題 / 専用計算機 / 惑星形成 / 銀河形成 / ハイパフォーマンスコンピューティング |
Research Abstract |
GRAPE-8システムのプロセッサチップの開発を進めた。プロセッサチップにStructured ASICであるeASIC社のN2X740を用い、昨年度決定したチップの仕様に基づいた試作をおこなった。パイプライン48本を1チップに集積し、300MHz程度とクロックは低いが600Gflops相当の演算性能を10W程度の極めて低い設計消費電力で実現し、60Gflops/Wと現在の最先端のマイクロプロセッサやGPUに比べて30倍以上の電力あたりの演算性能を実現できた。本研究で開発するシステムによって、従来困難であった大規模シミュレーションが可能になるだけでなく、それを極めて低い電力消費で行うことができることを実証できた。また、ボードの設計も並行して進めた。 さらに、本研究で開発した、低精度の重力相互作用をカットオフ付きで評価するチップを使って、従来は高精度が必要と考えられていた衝突系の時間積分を行う方法について、実装と評価を進めた。この方法は、遠距離にある粒子からの力は一定時間刻みのツリー法と低精度ハードウェアを組合せて計算し、近距離にある粒子からの力は高精度の独立時間刻みと直接計算を組合せて計算するものである。計算量のほとんどを一定時間刻みのツリー法の部分が占めるので、従来の方法では計算量が粒子数の自乗に比例したものが、ほぼ粒子数に比例し(厳密には対数項がある)、粒子数が1万程度で従来の方法の1/50程度の計算量となった。この結果は論文として投稿済である。
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Research Products
(6 results)