2009 Fiscal Year Annual Research Report
FNALドレル・ヤン実験E906による陽子のクォーク・反クォーク構造の研究
Project/Area Number |
21244028
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
柴田 利明 東京工業大学, 大学院・理工学研究部, 教授 (80251601)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 雄二 独立行政法人理化学研究所, 延與放射線研究室, 先任研究員 (00360545)
澤田 真也 大学共同利用機関高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (70311123)
宮地 義之 山形大学, 理学部, 准教授 (50334511)
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Keywords | 陽子構造 / 反クォーク / 原子核 / ドレル・ヤン / 対称性 |
Research Abstract |
本研究ではアメリカ・フェルミ国立加速器研究所(FNAL)の120GeV陽子ビームを固定標的(液体水素及び液体重水素)に照射してドレル・ヤン反応を測定する。反応から生じるミューオン対を測定する為に、標的の下流25mに4層の検出器群を配置する。今年度は、この第3層に設置する大型荷電粒子飛跡検出器(ドリフトチェンバー)を製作した。本検出器はミューオン対の運動量ベクトルの決定に用いられ、実験の遂行に不可欠な装置である。 ドレル・ヤン反応は希少であり多くのバックグラウンド粒子(主にはJ/ψ粒子の崩壊で生じるミューオン対)が混入するので、本検出器は高いバックグラウンドレートに耐えつつ大面積でドレル・ヤン反応からのミューオン対を検出できる必要が有る。シグナルとバックグラウンドの空間分布等をシミュレーションで検討し、実験条件を満たす最適な設計を決定した。2009年6月から日本にて製作を開始した。全読出チャンネルの出力確認等の基本的テストを終えて、2010年1月に完成した。 FNAL実験ホールの受入態勢が整わなかった為、日本からFNALへの検出器の輸送を次年度へ繰り越した。輸送までの期間は理化学研究所にて検出器の調整を進めた。高電圧を印加して検知部(ワイヤー)のコンディショニングを進め、海外の共同研究者が設計を進めている読出回路のプロトタイプのテストを行なった。2010年7月に輸送を完了した。
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Research Products
(4 results)