2010 Fiscal Year Annual Research Report
変位雑音相殺技術を用いた標準量子限界を越える量子非破壊干渉計の開発
Project/Area Number |
21244037
|
Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
佐藤 修一 法政大学, 工学部, 准教授 (30425409)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 竜太郎 国立天文台, 光赤外研究部, 助教 (60270451)
|
Keywords | 重力波 / レーザー干渉計 |
Research Abstract |
本年度は真空環境下におけるDFI干渉計の構築と感度評価をおこなうと共に,モノリシック干渉計の設計・制作,光検出器の真空化等雑音低減対策を進めた,具体的内容は以下の通りである.【実験装置の真空化】前年度までの実験結果を総合すると,変位雑音の相殺効果は定常的に60dB程度が上限になっていることが確認された.信号処理系の非対称性できまる相殺効果の上限は140dB程度あることがわかっているので,これは干渉計そのものに起因する非対称性が相殺効果の上限を制限していることが考えられる。これら非対称性の原因のひとつとして,直接に地面振動を介する擾乱ではなく,音響擾乱・空気揺らぎの影響であることがこれまでのレーザー干渉計開発の経験と併せて強く示唆されたことから実験系の真空化を進めてきた.これはDFI光学系を真空容器に格納し,大気を媒介にする擾乱を抑えることで劇的に改善すると期待される.予備的な計測結果によると,実際に低周波領域においておよそ1桁の雑音レベルの低減の効果が確認された. 【モノリシック光学系の構築】一方で,今回の干渉計真空化によって抑えきれない雑音があることも見えてきた.つまり空気を媒介としない別経路の雑音の混入機構が存在するということである.そこで差動変動信号を生成する干渉計部分について,雑音源である地面振動を徹底的に低減する(広い意味で防振する)というアプローチを取ることにした.低膨張基材の上に光学素子を直接接着するモノリシック光学系を制作した.引き続きインストール,コミッショニングを行う予定である.
|