2011 Fiscal Year Annual Research Report
半導体量子ドットにおける単一電子スピン状態のトモグラフィ測定と任意光制御
Project/Area Number |
21244044
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小坂 英男 東北大学, 電気通信研究所, 准教授 (20361199)
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Keywords | スピンエレクトロニクス / 量子エレクトロニクス / 光物性 / 量子井戸 / 量子ドット |
Research Abstract |
本研究プロジェクトでは、半導体量子ドットにおける電子スピン状態の光書き込み、光制御、光トモグラフィ測定の実現を目的とする。 実験では、Q値が200程度の共振器中に埋め込まれたGaAs/AlGaAs単一量子ドットを用いた。この単一量子ドットの光励起発光スペクトルの磁場依存性を詳細に調べた結果、通常の中性励起子だけでなく、電子一つを過剰に持つ負の荷電励起子(トリオン)の存在を確認した。これに磁場を印加すると、発光スペクトルは4本に分裂し、電子と正孔のゼーマン分裂幅の違いを反映した不均等なスペクトル分裂を観測した。この分裂から電子と正孔のg因子を同定し、これらが大きく異なることを示した。これにより、本研究の目的となる電子スピン状態の光書き込み、光制御、光トモグラフィ測定に不可欠なV型三準位構造が実現できることを明らかにした。量子井戸の場合に軽い正孔励起子が重要であったのと同様に、量子ドットの場合においても軽い正孔成分の混成がこのV型三準位構造を可能としている。 この単一量子ドットを用いた電子スピン状態の光書き込み、光制御、光トモグラフィ測定の実験を試みたが十分な測定感度を得ることができなかったため、アンサンブルではあるが量子井戸の実験をさらに進化させ、光書き込みおよび光読み出しの忠実度が、古典限界である2/3を超えた量子的なものであることを示した。また、光トモグラフィ測定についても、光感受率の虚部を利用した従来のトモグラフィックカー回転のみならず、実部を利用したトモグラフィックカー楕円率と呼ぶ手法でもスピンコヒーレンスの測定が可能であることを示し、コヒーレントカー効果の一般的概念を構築した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(16 results)
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[Journal Article] Polarization dependence of four-wave mixing via biexcitons in CuCl microcavities2012
Author(s)
S. Matsuura, Y. Mitsumori, H. Kosaka, K. Edamatsu, K. Miyazaki, Y. Kanatani, D. Kim, M. Nakayama, G. Oohata, H. Oka, H. Ajiki, H. Ishihara,
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Journal Title
Physica Status Solidi ( C )
Volume: 9
Pages: 2505-2508
Peer Reviewed
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[Presentation] Polarization Dependence of Four Wave Mixing via Biexcitons in CuCl Microcavities (poster)2012
Author(s)
S. Matsuura, Y. Mitsumori, H. Kosaka, K. Edamatsu, K. Miyazaki, Y. Kanatani, D. Kim, M. Nakayama, G. Ohata, H. Oka, H. Ajiki and H. Ishihara,
Organizer
Fifth International Conference on Optical, Optoelectronic and Photonic Materials and Applications (ICOOPMA12)
Place of Presentation
Nara, Japan
Year and Date
20120604-20120607
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