2010 Fiscal Year Annual Research Report
シアノ架橋金属錯体界面を通じた物質移動と電圧誘起機能
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21244052
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
守友 浩 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (00283466)
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Keywords | シアノ錯体接合 / 高速エレクトロクロミズム / カチオン経路 / 第一原理計算 / 価数差分分光 / 構造相転移 |
Research Abstract |
本基盤研究の目的は、アルカリ金属濃度-温度相図の作成、電圧による物質移動の機構解明、電圧印加による磁性制御、電圧印加による構造制御、の4つである。本年度の成果を列挙する。 (1)錯体の界面接合を向上させるために、錯体薄膜の表面モロフォロジーとイオン伝導の速度との関係を明らかにした。これまでの研究で薄膜作成が可能となったCo-[Fe(CN)_6]系錯体二種類とNi-[Fe(CN)_6」系錯体一種類に関して、ホモ接合素子を作成し、錯体薄膜の表面モロフォロジーとイオン伝導の速度との関係を明らかにした。 (2)結晶性のよいCo-[Fe(CN)_6]系錯体薄膜の上に別の組成の薄膜をエピタキシャルに成長させる方法を確立した。さらに、エピ成長膜の輸送特性を明らかにした。 (3)錯体薄膜の酸化・還元プロセスに対する知見を得るために、SPring-8のBL01B1ビームラインにおいてエピタキシャル成長膜の斜出射深さ分解XAFS測定を行った。 (4)電圧印加による磁性制御を実現するために、磁気転移温度の高いCr-[Cr(CN)_6]系錯体薄膜の鉄欠損量と磁気転移温度との関係を明らかにした。 (5)電圧印加による構造制御を目指すため、温度変化で立方晶-菱面晶転移を示すMn-Feシアノ錯体のRietveld構造解析を行った。Naイオンの変位が菱面晶歪みを有機していることを明らかにした。
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Research Products
(17 results)