2009 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロマニピュレーションによる非平衡基礎論の展開
Project/Area Number |
21244061
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐野 雅己 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 教授 (40150263)
|
Keywords | 非平衡統計力学 / コロイド粒子 / 光ピンセット / 情報熱力学 |
Research Abstract |
本研究は、近年急速に発展を遂げているマイクロマニピュレーション技術を用い、これも発展が著しい非平衡基礎論の分野に観測・外部操作の概念を取り入れた基礎論の枠組みを展開する。そのため、非平衡のプロトタイプの実験系を構築し、精密実験により新しい非平衡関係式の検証と展開を行い、非平衡の実験と理論の発展を促すことを目的とする。研究期間終了時には以下の項目を達成することを目標とする。 1.マイクロマニピュレーションを用いた非平衡関係式の検証とマクスウェルの悪魔の実現 2.新しい分子マニピュレーション法を用いた非平衡定常状態の統計力学理論の検証。 今年度の当初計画ではAOD(音響光デバイス)の回折光を用いてレーザーを高速スキャンし、光ポテンシャルを形成する計画であったが、AODはドリフトが大きく、また光強度が回折角によって変動するため途中で計画を変更し、EOD(電気光学デバイス)を使用した計画に切り替えた。そのため、当初の計画より装置の納期が遅れたものの、実験装置の立ち上げをようやく完成させることができた。一方で、連携研究者との共同研究により、電場のみを用いて外部フィードバックにより情報から仕事を取り出す実験に成功した。現在、論文の投稿準備を進めている。
|
Research Products
(3 results)