2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21244063
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
中川 賢一 電気通信大学, レーザー新世代研究センター, 教授 (90217670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸本 哲夫 電気通信大学, 先端領域教育研究センター, 特任准教授 (70420239)
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Keywords | 原子光学 / BEC / 原子干渉計 / 量子計測 |
Research Abstract |
本研究は極低温原子およびBEC原子を用いた原子干渉計によって高精度な量子計測法を実現することを目標としたものである。初年度(H21)よりコヒーレント原子線源の開発として行ってきた全光学的な手法によるRb原子のBEC生成の実験に成功し、波長1.06μmの高出力ファイバーレーザーを用いた光双極子トラップ中で約3秒の蒸発冷却によって10^4個のBEC原子を生成することができた。今回の実験の成功によって今後さらにこの方法を改良することにより小型可搬な実験装置で短時間に多数のBEC原子が生成可能になることが期待され、将来の微小重力下での精密計測実験などに応用可能と考えられる(中川)。 前年度(H22)から開発を行っている連続的にBEC原子を生成する連続原子レーザーの開発に関しては、先の全光学的BEC生成法の研究で得られた実験手法および実験情報を取り入れて装置の開発を進め、光双極子トラップに冷却Rb原子を効率よく集めることが可能になった。このため今後さらに実験装置を改良することにより連続原子レーザー実現に向けた本格的な実験が行える目処が立った(岸本)。 一方、レーザー冷却極低温Rb原子を用いた原子干渉計による精密重力加速度計の開発に昨年度(H22)より着手し、高い測定精度を得るため残留磁場を低減するため、非磁性チタン製真空チェンバーおよびパーマロイ材による磁気シールドを用いた実験装置を開発した。チェンバーに関しては真空窓の残留磁場が問題になり、新たにチタン製のフランジの真空窓を導入し、ほぼ目標の残留磁場を得ることができた。また誘導ラマン遷移を行うのに必要な高精度光位相同期半導体レーザーの開発に成功し、十分低い残留位相雑音を得ることができた。このため今後これらの実験装置を用いて本格的な原子干渉計による重力加速度測定の実験が行える目処がった(中川)。
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Research Products
(8 results)