2009 Fiscal Year Annual Research Report
希ガス同位体を用いた「Old Rock Geochemistry」の展開
Project/Area Number |
21244085
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
松本 拓也 Okayama University, 地球物質科学研究センター, 准教授 (50294145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 准一 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80107945)
辻森 樹 岡山大学, 地球物質科学研究センター, 准教授 (00436833)
太田 努 岡山大学, 地球物質科学研究センター, 助手 (80379817)
山下 勝行 岡山大学, 地球物質科学研究センター, 准教授 (50322201)
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Keywords | 同位体 / 希ガス / マントル |
Research Abstract |
本地球史の初期、特に太古代や冥王代の地球進化を探ることは近年の地球科学の中心課題の一つである。微量元素やその同位体を用いた地球化学的手法は年代学的情報に加えて当時の地球内部環境を探る上で有効であり固体地球進化史の解明には欠かせないツールである。本研究は希ガス同位体を用いた「Old Rock Geochemistry」を新たに展開させることを目指す。ここでいう「Old Rock」とは太古代に代表される地球史の前半に形成された岩石で特に当時のマントルの情報を保持していることが期待されるものを指す。この時代については特に希ガス同位体学的研究例は殆ど無く、惑星形成初期から現在に至る大気も含めた地球層構造形成史を探る上で重要なミッシングリンクであるといえる。その空白を埋める事によって希ガス同位体進化の時系列解析を実現し、客観的で包括的な地球年代記の構築につなげたいと考えている。それを実現するための分析システムの構築とそれを用いた希ガス分析を中心に据えるが、本年度は特に、岡山大学地球物質科学センターの地場型希ガス用質量分析装置を全希ガス分析に対応するための最適化を含む改良を施した。加えて電気炉とクライオ冷凍機を備えたガス試料精製装置と四重極質量分析計を新たに導入し、実験生成試料の高濃度希ガス分析を迅速に行うシステムの整備を進めた。当初の予定より、磁場型質量分析計の整備に多くの時間がかかったが年度内にすべての希ガス同位体分析を実現し、いくつかの試料の分析を行うことが出来た。その成果の一部は同位体比部会などで公表済みである。
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