2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21244086
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
日高 洋 Hiroshima University, 理学研究科, 教授 (10208770)
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Keywords | ジルコン / 局所同位体分析 / 中性子捕獲 / 二重ベータ崩壊 |
Research Abstract |
太陽系内に存在する惑星物質に含まれる元素の同位体組成を精密に測定することにより,その同位体体変動から原子核の性質を把握することができる。本研究では地球化学的観点に基づく同位体研究(天然の核反応に基づく元素の同位体組成変動)から素粒子の特性解明に結びつくことが期待できる研究課題として,(1)二重ベータ壊変系^<100>Mo-^<100>Ru, ^<96>Zr-^<96>Moの同位体科学的検出と半減期決定,(2)オクロ天然原子炉における中性子捕獲反応がもたらすSm, Gd, Cdの同位体シフトから求められる素粒子の結合定数の時間変化の可能性,について実施・検討を行うことを計画している。 平成21年度は以下の通り実施した。 1. グリーンランド南西部の片麻岩に含まれるジルコンのうち,38億年以上の古い形成年代を示すものについてレーザーラマン分光を用いてその結晶性の評価を行った。その結果,局所的には高い結晶性を保持しているジルコン粒子も存在することがわかった。 2. 上記ジルコン粒子について局所U-Pb同位体分析を効率よく行うために,既存の高感度高分解能イオンマイクロプローブの制御システムの改良をおこなった。 3. 中性子捕獲反応を顕著に受けている天然原子炉試料の同位体測定を行うための化学操作(試料の分解,Sm, Gd, Cd等の化学分離)の確立を行った。さらに,一部の試料については同位体測定を行い,中性子捕獲反応の影響による顕著な同位体変動が認められることを確認した。
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Research Products
(13 results)