2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21245011
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
井上 佳久 Osaka University, 工学研究科, 教授 (30112543)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 直 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (70311769)
楊 成 大阪大学, 工学研究科, 助教 (70456995)
福原 学 大阪大学, 工学研究科, 助教 (30505996)
西嶋 政樹 大阪大学, 先端科学イノベーションセンター, 助教 (70448017)
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Keywords | 光化学 / 超分子化学 / 不斉合成 |
Research Abstract |
不斉合成は現在最も活発な研究が行われている分野の一つであるが、本研究では複合キラル超分子を用いる光不斉創成について研究を行い、今年度は次に述べる新規かつ重要な成果を得た。 1) 超分子ホストであるキューカービチュリルと抗原抗体反応をはるかに凌駕する高い結合定数を与えるゲストを見いだし、その原因を理論計算を用いて解明した。 2) ホスト・ゲスト間の電荷移動錯体の吸収波長を選択励起することにより、通常の励起錯体経由とは得られる光学活性体のジアステレオマー過剰率が逆の温度依存性を示すことを見いだし、新たな制御方法となることを明らかにした。 3) メソポーラスシリカ表面にシクロデキストリンを化学結合により導入した有機・無機複合超分子系を初めて構築し、生成物分布ならびに光学収率を精密に制御することに成功した。 4) 触媒的にターンオーバー可能な修飾シクロデキストリンを用いたキラル超分子光環化付加反応を、光増感系を用いずに初めてデザインし、光学収率と化学収率の両立を達成した。 5) シクロデキストリンに光増感剤を導入した複合キラルホストを用いた芳香族アルケンへの水とメタノールの競争的不斉極性付加反応において、温度と溶媒組成により、生成物比ならびに光学収率を精密に制御することに成功した。 6) アミノプロリノールとベンズアミドを結合した水素結合性キラルテンプレートを用いた不斉光環化付加反応において、高い光学収率を達成するとともに、エナンチオマー過剰率を決定する要因を完全に解明することにより、さらに高効率・高光学収率な反応系の設計指針を得た。 7) ヒト血清アルブミンを生体系超分子キラルホストとする不斉光環化付加反応において80%を超える不斉収率を達成するとともに、その光物理的、光化学的挙動についても解明した。 他の複合超分子系についても多くの興味深い基礎的知見を得たので、それを基盤として、来年度の研究を展開する。
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[Journal Article] Bio-Supramolecular Photochirogenesis with Molecular Chaperone : Enantiodifferentiating Photocyclodimerization of 2-Anthracenecarboxylate Mediated by Prefoldin2010
Author(s)
Bando, K.; Zako, T.; Sakono, M.; Maeda, M.; Wada, T.; Nishijima, M.; Fukuhara, G.; Yang, C.; Mori, T.; Pace, T.C.S.; Bohne, C.; Inoue, Y.
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Journal Title
Photochemical & Photobiological Sciences (in press)
Peer Reviewed
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[Journal Article] Supramolecular Complexation of N-Alkyl and N, N-Dialkylpiperazines with Cucurbit[6]uril in Aqueous Solution and in Solid State2009
Author(s)
Rekharsky, M.V.; Yamamura, H.; Mori, T.; Sato, A.; Lindeman, S.V.; Rathore, R.; Shiba, K.; Ko, Y.H.; Selvapalam, N.; Kim, K.; Inoue, Y.
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Journal Title
Chemistry-A European Journal 15
Pages: 1957-1965
Peer Reviewed
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