2009 Fiscal Year Annual Research Report
イオン液体|溶液界面の電位制御を基軸とする新しい分離分析法の基盤構築
Project/Area Number |
21245021
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
垣内 隆 Kyoto University, 工学研究科, 教授 (20135552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西 直哉 京都大学, 工学研究科, 准教授 (10372567)
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Keywords | イオン液体 / 液液2相系 / 相界面電位差 / 電気分析化学 / 界面 |
Research Abstract |
水と本研究で得た主な成果は、以下の3点に要約される。 1.混じり合わず、広い分極電位窓を形成する常温イオン液体の開発 水と混じり合わないイオン液体は、電気分析化学にきわめて有用である。Tetrakis[3, 5-bis(trifluoromethyl)phenyl]borateとtrioctyl-1H, 1H, 2H, 2H-heptadecafluorodecylphoshoniumとの組み合わせたイオン液体は、5mM Mg2SO4水溶液との界面で950mVの広い分極電位窓を有する。 2.水-イオン液体二相間での、親水性イオンの促進イオン移動の研究 N-Octadecylisoquinolinium tetrakis[3, 5-bis(trifluoromethyl)phenyl]borateを精製した淡黄色イオン液体を用いて、Dibenzo18-crown-6およびcis-syn-cis-dicyclohexano-18-crown-6によるアルカリ金属イオン、及びアルカリ土類金属イオンの促進イオン移動をボルタンメトリーで調べた。 3.水-イオン液体二相間界面におけるイオン液体電気二重層構造の緩慢緩和がイオン移動ボルタンメトリーに与える影響についての研究 緩慢緩和は、通常のボルタンメトリーやクロノアンペロメトリーは、直接は影響を与えないが、界面における電荷移動過程が界面反応を伴う場合には、緩慢緩和が電極反応に影響を与える場合があることを、パーフルオロオクタン酸イオン(PFO-)のイオン移動について実証した。
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