2010 Fiscal Year Annual Research Report
イオン液体|溶液界面の電位制御を基軸とする新しい分離分析法の基盤構築
Project/Area Number |
21245021
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
垣内 隆 京都大学, 工学研究科, 教授 (20135552)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西 直哉 京都大学, 工学研究科, 准教授 (10372567)
北隅 優希 京都大学, 工学研究科, 助教 (00579302)
|
Keywords | イオン液体 / 液液2相系 / 相界面電位差 / 電気分析化学 / 界面 |
Research Abstract |
【疎水性イオンと広い電位窓を有する疎水性イオン液体の合成】これまでに見いだした室温で融解状態にある部分的にフッ素化したアルキル差を持つ4級フォスフォニウムとtetrakis[bis(3,5-trifluor-omethyl)phenyl]borateからなる塩は、アルカリ水溶液と接触すると分解する傾向があるので、アンモニウム系のカチオンからなる新しい疎水性イオン液体を探索した。室温では融解状態にある疎水性塩を見いだすことができなかった。融点が室温より高い疎水性イオン液体を2種類混合して融点を下げることができた。Trioctylmethylammoniumをベースとした2成分高疎水性イオン液体を見いだした。 【緩慢緩和の定量的検討】電気化学的に界面電位差を制御した表面プラズモン共鳴(SPR)により、緩慢緩和の定量的検討を行った。電位ステップに伴うSPRシグナルの変化と充電電流の変化を同時に記録し、緩慢緩和を定量的に解析し、緩和時間が分の桁である遅い緩和がSPR信号変化として捉えることに成功した。この結果は、これまで界面張力およびボルタンメトリーから得られていた結果と一致する。また、イオン液体/金属電極界面における緩慢緩和が、ボルタンメトリーにおける充電電流に与える影響から、これまで超緩慢緩和の研究に主として用いてきたTrioctylmethylammonium bis(nonafluorobutane-sulfonyl)amideだけでなく、より粘性の低い典型的なイオン液体である1-ethyl-3-methylimidazolium bis(trifluoromethanesulfonyl)amideについても、超緩慢緩和が存在することを実証した。 【電位窓の狭い疎水性イオン液体の合成】非分極性イオン液体|水溶液界面の,イオン液体薄膜系,イオン液体エマルション系,イオン液体を用いる抽出,イオン液体塩橋などの応用にむけて、ジアルキルピロリジニウムを構成成分とする新しいイオン液体を合成した。その塩橋への応用例として、水のイオン積の決定を高い精度で行うことに成功した。また、室温では固体である4級アンモニウムをベースとした塩を、上記の高疎水性イオン液体に融解させた新しいイオン液体塩橋を考案し、その実用性を実証した。
|
Research Products
(16 results)