2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21245022
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
渡會 仁 大阪大学, ナノサイエンスデザイン教育研究センター, 招へい教授 (30091771)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
諏訪 雅頼 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (90403097)
|
Keywords | 磁気泳動 / 微粒子 / 磁化率 / 液液界面 / キラル認識 / 分子集合体 / ラマン光学活性 / 円二色性 |
Research Abstract |
平成23年度は、以下の成果を挙げた。 1.パルス磁場を用いるファラデー回転の測定 コンデンサーバンクと小型コイルを用いて1msのパルス磁場を発生させた。これを用いて、反磁性液体のファラデー回転が高感度で測定できることを明らかにした。 2.液液界面におけるポルフィリンのヘテロ会合体を用いて、アミノ酸のキラル認識ができることを示した。 3.遠心液膜セル中の液液界面に生成するポルフィリン会合体が、キラルな化合物を含まない時でも、回転方向に依存した円二色性スペクトルを示す現象を発見した。ミューラ-行列の測定から、この現象は、界面に生成した会合体がセルの前面と後面でヘリカルに重なるためであることを明らかにした。この研究により開発した理論は、これまで報告された多くの類似の現象も矛盾なく説明することができる。 4.ラマン光学活性の測定により、NMRでは決定が不可能な早い構造変化を示す分子のキラル構造を正しく決定するための方法を開発した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成23年度の成果は、ファラデー回転測定におけるパルス磁石の有効性を示した。また、液液界面でのアミノ酸のキラル認識がポルフィリンのヘテロ会合体により可能であることを示した。また、これまで謎とされていた溶液の回転が示すキラルシグナルの解釈に、初めて理論的解釈を確立した。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、以下の計画を遂行する。 ファラデー回転により画像を取得し、ファラデーイメージングの分析化学的展開を図る。ファラデー回転測定の高感度化を図る。磁気泳動を常磁性微粒子および球形から外れた形の微粒子を対象にして磁化率の決定が可能な方法を開発する。
|
Research Products
(12 results)