2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21245022
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
渡會 仁 大阪大学, ナノサイエンスデザイン教育研究センター, 教授 (30091771)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
諏訪 雅頼 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (90403097)
|
Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 磁気泳動法 / 電磁泳動法 / 磁気光学効果 / 単一分子反応 / ナノ粒子 / 磁化率測定 / キラル認識 / 液液界面 |
Research Abstract |
平成24年度は、以下の研究実績を挙げた。 1.二次元磁気泳動法の開発と微粒子フロー分離の実現 マイクロ流路に対して傾斜した磁気勾配を作用させることにより、サイズと磁化率の異なる微粒子を連続的に分離し、そのヒストグラムを得ることに成功した。 2.ブラウン運動解析と磁気泳動を組み合わせたナノ粒子の分析 顕微鏡によりサイズの決定が困難なナノ粒子の磁気泳動分析を行うために、ブラウン運動解析と磁気泳動速度解析を同時に行う方法を開発した。この方法により、ナノ粒子のサイズ分布と磁化率の測定を同時に達成した。 3.液液界面におけるポルフィリンJ会合体を利用するキラル分析法の開発 有機相と硫酸相の界面に、テトラフェニルポルフィリン(TPP)のナノ会合体が生成することを利用し、独自に開発した遠心液膜-円二色性測定法と組み合わせて、2-アルコールのキラル決定法を開発した。2-アルコールは紫外部にも吸収を持たないので、そのままCD測定を行うことはできない。しかし、TPPの水素イオン付加体のナノ集合体と界面で相互作用することにより、ナノ集合体がアルコールのキラリティーを正しく示すことを見出した。この方法は、界面活性な2-アルコールに有効であり、炭素数が5以上のものについて、10-6Mの低濃度まで決定可能であった。 4.液液界面における単一分子反応の測定 双性イオン型のオクタデシルローダミンBの単一分子が、ドデカン-水界面においてラクトン型に変換する状況を蛍光顕微鏡により観測することに成功した。反応が起こるのはpHが3以上のときである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
磁気泳動法によるナノ粒子およびマイクロ粒子の分析法の開発を達成した。また、液液界面におけるナノ分子集合体の生成機構を解明し、その現象をキラル分子認識に応用した。さらに、液液界面における単一分子の反応を直接的に観測することにも成功した。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、以下の研究項目についてさらに解明し、新たな方法論の確立を目指す。 1.ファラデー効果およびカー効果を利用する微粒子の磁化率測定 これまで、微粒子の磁化率測定法として磁気泳動法を開発してきたが、顕微画像的に磁化率を測定する手法を検討する。 2.光ファイバーを用いるファラデー効果の高感度計測 分析法としてのファラデー効果の応用を広めるため、光ファイバーによる計測法を開発する。それとともに、感度の向上を目指す。 3.常磁性微粒子の磁化率測定法の開発 これまでは、主に反磁性の微粒子の磁化率測定を行ってきたが、常磁性微粒子の高感度な磁化率測定法を開発する。
|
Research Products
(9 results)