2009 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織化制御に基づいたユビキタス元素による超分子発光素子の創製
Project/Area Number |
21245035
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮田 幹二 Osaka University, 大学院・工学研究科, 教授 (90029322)
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Keywords | 超分子化学 / 発光材料 / 有機結晶 / 結晶工学 / スルホン酸アミン塩 / ホストゲスト化学 / 固体蛍光 |
Research Abstract |
本研究では、(1)多環式芳香族などのπ系分子を機能団とし、種々のアミン化合物を構造制御部位として超分子複合体を得て、分子集合に応じた基本物質を作成する。(2)これらの基本物質に、機能モジュレーター分子を導入することで、ユビキタス元素だけを用いた高効率、高輝度で安定な超分子発光素子を創出すること、を目的としている。上記目的を達成するため本年度は、以下の4項目を行った。 1、多環式芳香族化合物に酸性基を導入した機能団分子を合成した。具体的には、アントラセンジスルホン酸の複数の位置異性体、ピレンおよびジフェニルアントラセンのスルホン酸誘導体を合成した。 2、得られた機能団分子を種々のアミンと組み合わせて複合体物質(スルホン酸アミン塩等)を作成した。 また、複数の機能団分子、あるいはアミンを用いて、3成分混合複合物質を作成した。 3、多量に作成した有機塩を様々な有機溶媒から結晶化させ、得られた結晶中における超分子構造の化学的、物理化学的性質を紫外可視分光法、赤外分光法、固体核磁気共鳴分析によって明らかにした。 4、良好な結晶を作成し、単結晶X線構造解析により超分子集合を明らかにした。放射光施設SPring8(ビームラインBL38B1)を利用し、研究室では測定が困難な極めて小さな結晶の構造解析にも成功した。 5、発光特性・発光挙動について測定した。蛍光分光法により、発光スペクトル、発光量子効率、発光寿命を明らかにし、構造データとともに詳細に検討することによって、発光団の超分子集合様式と発光挙動の相関について、体系的に整理できた。
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Research Products
(11 results)