2010 Fiscal Year Annual Research Report
フラストレート液晶相の本質の理解、新規相の探索、デバイス材料への応用
Project/Area Number |
21245037
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
菊池 裕嗣 九州大学, 先導物質化学研究所, 教授 (50186201)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 博紀 九州大学, 先導物質化学研究所, 助教 (50432951)
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Keywords | 液晶 / フラストレーション / ブルー相 / 電気光学デバイス / 表示素子 |
Research Abstract |
複数の安定構造が拮抗するフラストレーションが物質内に生じると、構造や物性に劇的な変化が起こる。液晶中にフラストレーションが生じたフラストレート液晶相は、光学波長オーダー(数100nm)に及ぶ長周期秩序構造、三次元階層構造、高速電気光学効果、チューナブル三次元フォトニックバンドなど、あらゆる物質の中でも類を見ない極めて特異な構造・物性と電気光学デバイス材料として魅力的な特性を有している。本申請では、新しい視点に立ちこれまでと異なる切り口により、フラストレート液晶相の発現メカニズムを理解するとともにその特異な秩序構造を支配する化学的・物理的パラメータを明らかにする。さらに、新規フラストレート相の探索、フラストレート液晶相のユニークな特徴を活かした電気光学デバイスへの応用展開を行う。H22年度は、ポリマーネットワークを用いずにブルー相の温度範囲を拡大するために新規デンドロンを合成し、相挙動を検討した。その結果、末端がフェニル基のデンドロンはネマチック相を示さなかったが末端が水酸基のデンドロンは広い範囲でネマチック祖相を示した。このデンドロンをホストキラル液晶に添加したとことブルー相の温度範囲が大きく広がった。弾性定数測定結果では、デンドロンを添加していない試料と比較してデンドロンを添加した試料はスプレイ弾性定数が大きくベンド弾性定数が著しく小さい値を示した。これはデンドロンがベンド変形しやすい構造を有していることを示している。以上のようにポリマーネットワークを用いずフラストレート相の一種であるブルー相の温度範囲の拡大に成功した。
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