2012 Fiscal Year Annual Research Report
フラストレート液晶相の本質の理解、新規相の探索、デバイス材料への応用
Project/Area Number |
21245037
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
菊池 裕嗣 九州大学, 先導物質化学研究所, 教授 (50186201)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 博紀 九州大学, 先導物質化学研究所, 助教 (50432951)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 液晶 / ブルー相 / フラストレーション / 電気光学デバイス / 表示素子 |
Research Abstract |
物質内において複数の安定構造が拮抗するフラストレーションが生じると、構造や物性に劇的な変化が起こることが知られている。液晶中にフラストレーションが生じたフラストレート液晶相は、光学波長オーダー(数100 nm)に及ぶ長周期秩序構造、三次元階層構造、高速電気光学効果、チューナブル三次元フォトニックバンドなど、あらゆる物質の中でも類を見ない極めて特異な構造・物性と電気光学デバイス材料として魅力的な特性を有している。本申請では、新しい視点に立ちこれまでと異なる切り口により、フラストレート液晶相の発現メカニズムを理解するとともにその特異な秩序構造を支配する化学的・物理的パラメータを明らかにする。さらに、新規フラストレート相の探索、フラストレート液晶相のユニークな特徴を活かした電気光学デバイスへの応用展開を行う。H24年度は、代表的なフラストレート相であるブルー相のデバイスの作製プロセスの最適化に注力した。ブルー相は安定な温度範囲が極端に狭いため、高分子安定化ブルー相を調製する際の光重合の過程で精密な温度制御が必要となる。この制約が、実用化に向けての大きな課題となっていた。本研究では、高分子安定化ブルー相の前駆体をある温度条件を与えると極度の過冷却状態でもブルー相が安定に保持されることを見出し、その過冷却状態で光重合することにより従来より優れた特性を示す高分子安定化ブルー相を得ることに成功した。これにより製造プロセスが簡略化されることが期待される。また、枝分かれ構造を有するデンドロン分子をブルー相中に添加することにより、ブルー相の温度範囲と電場によって誘起されるブラッグ波長のシフト範囲が拡大されること明らかとなり、ブルー相の新たな応用展開の可能性を開拓した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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