2009 Fiscal Year Annual Research Report
呼吸酵素における、酸素還元と一酸化窒素還元の機能変換と分子進化
Project/Area Number |
21245041
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
城 宜嗣 独立行政法人理化学研究所, 城生体金属科学研究室, 主任研究員 (70183051)
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Keywords | 一酸化窒素還元酵素 / 亜酸化窒素 / 脱窒 / 呼吸酵素 / チトクロム酸化酵素 / X線結晶構造解析 / 温室効果ガス |
Research Abstract |
一酸化窒素還元酵素は、微生物の嫌気呼吸のキー酵素であり、一酸化窒素NOを還元して亜酸化窒素N_2Oに変換する(2NO+2H^++2e^-→N_2O+H_2O)。反応物NOが大気汚染気体NOxの一種であり非常に細胞毒性が強いこと、生成物N_2Oが二酸化炭素CO_2の約310倍の温室効果があり、なおかつオゾン層を破壊する気体であることから、環境科学の側面からも注目されている酵素である。さらに、cNORは好気呼吸の鍵酵素であるチトクロム酸化酵素と、共通の祖先を有していると考えられており、呼吸酵素の分子進化を考える上でも重要な酵素である。Pseudomonas aeruginosaのcNORとGeobacillus stearothermophilusのqNORの分子構造の決定、ならびにこれらの構造を基盤にして、呼吸酵素の機能変換をめざしている。cNORはNorBとNorCの2つのサブユニットからなるヘテロ二量体であり、アズリン(銅タンパク質)を電子供与体とする。qNORは一つのポリペプチドからなり、メナキノールを電子供与体とする。cNORとqNOR共に、結晶化に成功し、約2.4A分解能のX線回折像が得られたので、構造解析を進めた。一方、部位特異的な変異導入による機能変換に必要な、cNORの大腸菌における発現系の構築も開始した。酵素は発現し、その可視光吸収スペクトルはnative酵素と類似であったが、一酸化窒素還元活性を確認できなかった。
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[Journal Article] Ligand Energy Controls the Heme-Fe Valence in Aqueous Myoglobins2009
Author(s)
Y.Harada, M.Taguchi, Y.Miyajima, T.Tokushima, Y.Horikawa, A.Chainani, Y.Shiro, Y.Senba, H.Ohashi, H.Fukuyama, S.Shin
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Journal Title
J.Phys.Soc.Jpn.
Volume: 78
Pages: 044802-1-5
Peer Reviewed
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