2011 Fiscal Year Annual Research Report
ゲル化窒化法による複金属酸窒化物系高温超伝導体の創出
Project/Area Number |
21245047
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉川 信一 北海道大学, 大学院・工学研究院, 教授 (10127219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本橋 輝樹 北海道大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (00323840)
鱒渕 友治 北海道大学, 大学院・工学研究院, 助教 (80466440)
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Keywords | 金属酸窒化物 / 超伝導体 / 欠陥構造 / フラックスピニング / 臨界電流 / 比熱測定 / マルチギャップ / 層状構造 |
Research Abstract |
複数種類の金属塩を溶液中で均一混合したのち低温焼成したアモルファス酸化物や、複金属酸窒化物を原料としてアンモニア窒化すると、様々な新しい金属酸窒化物の創製や形態制御が可能となることを示してきた。本年度はさらに新たな知見として下記の2項目を明らかにした。 (1)前年度に見出したNb系ゲル化窒化生成物(Nb_<0.89>Al_<0.11>)(N_<0.84>O_<0.16>)、(Nb_<0.95>Mg_<0.05>)(N_<0.92>O_<0.08>)および(Nb_<0.87>Si_<0.09>□_<0.04>) (N_<0.87>O_<0.13>)は、いずれもバルク超伝導体であり転移温度Tcは17K程度であった。これらのうちでSi系の酸窒化物は陽イオン欠損が関係した超伝導フラックスのピン止めの効果と思われる大きな磁気ヒステリシスを示し、5Kで約2.5×10^4A/cm^2の臨界電流値が見積もられた。またSi系の比熱測定ではTcに大きな不連続が観測され、電子相関が極めて強いことが明らかになった。さらにTc以下の温度域にも小さなギャップが観測され、新たなマルチギャップ超伝導体である可能性が見え始めている。 (2)LiNb_3O_8 を800℃でアンモニア窒化して岩塩型(Li_<0.20>Nb_<0.71>□_<0.09>)(N_<0.78>O_<0.22>)、1000℃では窒化および陽イオンの秩序化が進行して層状構造を持つ六方晶(Li_<0.88>□_<0.12>)Nb_<3.0> (N_<0.87>O_<0.13>)_4を得た。後者は2.7以下で超伝導性を示す可能性が明らかになった。
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