2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21246001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宮崎 照宣 東北大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 教授 (60101151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水上 成美 東北大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 准教授 (00339269)
大兼 幹彦 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50396454)
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Keywords | 高磁気異方性 / Mn-Ga合金 / 垂直磁化膜 / トンネル磁気抵抗効果 / MRAM / 磁気緩和定数 / スピントロニクス / 磁性薄膜 |
Research Abstract |
●Mn-Ga規則合金単結晶薄膜の作製と磁気特性の解明 ・2x10^7erg/cm^3の大きな垂直磁気異方性を有するL1_0Mn-Ga合金の単結晶薄膜の作製に成功した ・Mn-Ga単結晶薄膜が高い垂直磁気異方性を保ちつつ、飽和磁化を組成を変えることで200-600emu/cm^3の範囲で調整可能な材料であることを磁気特性の組成依存性より見出した ・L1_0およびD0_<22>-Mn-Ga合金単結晶薄膜の磁化のダイナミクスをポンプ・プローブ法によって調べ、それぞれの合金の磁気摩擦定数αが0.008および0.02と従来の垂直磁化材料の1/10程度と非常に小さいことを明らかにした ●垂直磁化Mn-Ga電極/MgO障壁層を有するトンネル接合における磁気抵抗効果の観測 ・世界で初めてMn-Ga/MgO/CoFeトンネル接合(MTJ)におけるトンネル磁気抵抗効果の観測に成功したTMR比は室温9.8%,低温22%である。 ・Mn-Ga/MgO/CoFe MTJにおけるトンネル磁気抵抗変化率のMn-Ga組成依存性を調査し、Mn~60at.%近傍の組成が高熱処理耐性を有する素子作製に最適であることを明らかにした。 ●MTJの障壁層界面修飾による磁気抵抗変化率の向上 ・極薄Fe層をMn-Ga/MgO界面に製膜することで室温におけるTMR比を57%まで向上させた ・極薄Co層をMn-Ga/MgO界面に製膜することでTMR比を室温で40%まで向上させるとともに、Mn-Gaの磁化とCoの磁化とが反平行結合することを見出した Mn-Ga合金材料において初めて見出された一連の物性に加え、開発された薄膜を用いたMTJにおけるトンネル磁気抵抗効果の観測と、磁気抵抗変化率の向上はデバイスの実用化を飛躍的に加速し得る重要な成果である。また本研究課題で見出したMn-Ga合金薄膜の物性は、高磁気異方性材料の磁化ダイナミクスの解明に言献し得る結果であり、学術的にも大きな意義を持つ成果でもある。
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Research Products
(45 results)